HOME » 屋根材の種類と特徴 » ガルバリウム鋼板屋根 » ガルバリウム屋根の費用、丸わかり!メリット・デメリットから後悔しない選び方まで徹底解説
ガルバリウム 耐久性

最近よく聞くガルバリウム屋根って、実際どうなの?」
「おしゃれだけど、費用が高いんじゃない?」
「長く使うものだから、ちゃんと納得して選びたい!」

マイホームの新築や、大切な我が家の屋根リフォーム。屋根は、雨風や紫外線から家全体を守るとても重要な部分ですよね。そんな屋根選びで、ガルバリウム屋根が気になっている方も多いのではないでしょうか?

軽くて丈夫、しかもスタイリッシュな見た目で、今、人気急上昇中の屋根材です。でも、やっぱり一番気になるのは費用。そして、「本当にうちの家に合っているの?」「後悔しないかな?」という不安もあるかもしれません。

屋根工事は決して安い買い物ではありません。だからこそ、しっかり知識を身につけて、ご自身で納得できる選択をすることが大切です。

この記事では、そんなガルバリウム屋根について、気になる費用相場はもちろん、

  • ガルバリウム屋根ってそもそも何?
  • どんなメリット・デメリットがあるの?
  • 他の屋根材と比べてどう違う?
  • 費用の詳しい内訳は?
  • 費用を抑えるコツってある?
  • 弱点を克服!快適性を高める工夫
  • 後悔しないための業者選びのコツ
  • 長持ちさせるためのメンテナンス方法
  • みんなが気になるFAQ(よくある質問)をさらに詳しく!

など、知りたい情報をギュッと詰め込みました!初心者の方にもわかりやすく、親しみやすい言葉で解説していきます。この記事が、皆さんが納得して最適な屋根を選ぶためのお手伝いができれば嬉しいです。ぜひ最後まで読んで、屋根選びの参考にしてくださいね。

目次

そもそもガルバリウム屋根ってどんな屋根?

ガルバリウムってどんな屋根?

まずは基本から!ガルバリウム屋根がどんなものか見ていきましょう。

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム 断面図構成

ガルバリウム屋根に使われているのは、「ガルバリウム鋼板(こうはん)」という金属の板です。これは、鉄の板にアルミニウム、亜鉛、シリコンでできたメッキ(金属の膜)を施したもの。

昔ながらのトタン屋根も金属ですが、ガルバリウム鋼板はトタンの弱点だった「サビやすさ」を大幅に改善! サビに強く、とっても長持ちするのが大きな特徴です。

【ポイント!】

最近では、ガルバリウム鋼板をさらにパワーアップさせた「SGL鋼板(エスジーエルこうはん)」という素材も主流になってきています。これは、ガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えることで、サビへの強さをさらに高めたもの。より安心して長く使える屋根材として注目されています。

業者さんによっては「ガルバリウム屋根」と言いつつ、このSGL鋼板を使っているケースも多いですよ。

▼ ガルバリウム製品選びに迷ったら…こちらの記事をご覧ください

なんで人気なの?ガルバリウム屋根のすごいところ(メリット)

ガルバリウム屋根が選ばれるのには、ちゃんとした理由があります。主なメリットをご紹介します!

軽い!地震に強く、リフォームにも最適

ガルバリウム屋根は、とにかく軽いのが魅力!一般的な瓦屋根の約10分の1、スレート屋根と比べても約5分の1ほどの重さしかありません。
屋根が軽いと、建物全体の重心が低くなって安定し、地震の揺れに強くなるんです。これは地震が多い日本にとって嬉しいポイントですね。

また、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねる「カバー工法」というリフォームでは、軽い屋根材しか使えません。ガルバリウム屋根はこのカバー工法にピッタリ!古い屋根を撤去する手間や費用が省けるので、リフォーム費用を抑えたい場合にもおすすめです。

長持ち!サビに強く、耐久性バツグン

アルミニウムと亜鉛の力で、サビに強いのがガルバリウム鋼板の自慢。適切なメンテナンスをすれば、30年以上の耐久性が期待でき、中には40年以上持つケースも!

スレート屋根や瓦のように割れたり、ズレたりする心配も少ないので、長く安心して暮らせます。雨漏りにも強く、雪が多い地域でもその強さを発揮します。

▼ ガルバリウム鋼板の耐久性についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

デザイン自由自在!どんな家にもマッチ

ガルバリウム鋼板は加工しやすく、複雑な形の屋根や、傾斜が緩やかな屋根にも対応可能です。色のバリエーションも豊富なので、モダンでスタイリッシュな外観から、和風のデザインまで、お家のイメージに合わせて選べます。

また、軽いので、どんな種類の屋根材からの葺き替え(ふきかえ:屋根材をまるごと交換すること)にも対応できるのも嬉しいポイントです。

▼ ガルバリウムへの葺き替えについての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

環境にも配慮

実はガルバリウム鋼板はリサイクル可能な素材。環境への負荷も少ない、サステナブルな選択肢でもあります。

火にも強い安心感

金属なので燃えにくく、建築基準法で定められた「不燃材料」に認定されています。万が一の火災時にも燃え広がりにくいのは安心ですね。

⚠️ここは注意!ガルバリウム屋根の気になる点(デメリット)

魅力いっぱいのガルバリウム屋根ですが、知っておきたい注意点もあります。

夏はちょっと暑いかも?断熱性は△

金属なので、熱を伝えやすい性質があります。そのため、ガルバリウム鋼板自体にはあまり断熱性がありません。特に、屋根材をまるごと交換する「葺き替え」や新築の場合は、断熱材を入れるなどの対策が必要です。

雨音が気になることも?遮音性は少し劣る

薄い金属板なので、瓦などに比べると雨音が響きやすい傾向があります。特に大雨の日は、音が気になるかもしれません。【補足】これらの弱点をカバーするためには、断熱材や遮音材を追加する必要があり、その分のコストがかかる点も考慮しておきましょう。(具体的な対策は後述します!)

環境によってはサビやすいケースも

基本的にはサビに強いガルバリウム鋼板ですが、以下のような環境では注意が必要です。

  • 海の近く(塩害)
  • 工場の近く(排気ガスなど)
  • 落ち葉や枝が溜まりやすい場所(木から出る成分の影響)

このような場所では、こまめな掃除やメンテナンスを心がけるか、他の屋根材を検討するのも一つの手です。

凹みやすい?衝撃には注意!

非常に薄い金属板なので、重いものが当たったり、人が強く乗ったりすると凹んでしまうことがあります。雹(ひょう)が多い地域や、屋根の上で作業する機会がある場合は少し注意が必要です。凹みが原因ですぐに雨漏りするわけではありませんが、見た目が気になるかもしれません。

ずばり!ガルバリウム屋根の費用相場はいくら?【徹底解説】

さて、いよいよ気になる費用のお話です!ガルバリウム屋根の工事には、どれくらいのお金がかかるのでしょうか?

工事の種類別!費用目安

ガルバリウム屋根の費用は、工事の種類や家の大きさ、選ぶ材料によって変わってきます。ここでは、一般的な戸建て住宅(2階建て・屋根面積80㎡程度)を例にした費用相場を見てみましょう。

工事の種類内容費用相場(総額)平米単価(材料+工事費)
新築新しくガルバリウム屋根を設置(※1)6,000円~9,000円/㎡
葺き替え(ふきかえ)古い屋根材を撤去し、新しく設置約80万円~120万円6,000円~9,000円/㎡
カバー工法古い屋根の上に重ねて設置約70万円~100万円6,000円~9,000円/㎡

(※1)新築の場合は、家全体の費用に含まれるため一概には言えませんが、屋根部分の費用として上記の単価が目安となります。
(※ 上記費用には、材料費、工事費のほか、足場代、古い屋根材の処分費(葺き替えの場合)、諸経費などが含まれます。)

【カバー工法の注意点!】

カバー工法は費用を抑えられますが、既存の屋根材の状態が悪い(水分を含んでいるなど)と、内部で下地が腐食するリスクがあります。また、万が一雨漏りが発生した場合、原因箇所が特定しにくくなる可能性も。施工前に業者にしっかり診断してもらうことが重要です。

▼ カバー工法についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

費用の内訳ってどうなってるの?

「総額〇〇万円」と言われても、具体的に何にいくらかかっているのか気になりますよね。ガルバリウム屋根工事の主な費用の内訳を見てみましょう。(割合はあくまで目安です)

  • ① 材料費(約25%~)
    • ガルバリウム鋼板本体
      選ぶ製品(断熱材一体型か、シンプルなものかなど)で価格が変わります。㎡単価で計算されることが多いです。(例:シンプルなもの 1,500円/㎡~、断熱材一体型 4,000円/㎡~)
    • 役物(やくもの)
      屋根のてっぺん(棟板金)や端(ケラバ)、谷部分などに使う部材です。
    • 防水シート(ルーフィング)
      屋根材の下に敷く、雨漏りを防ぐ重要なシート。
    • 断熱材・遮音材(オプション)
      必要に応じて追加します。
  • ② 工事費(労務費)(約35%~)
    • 職人さんがガルバリウム鋼板を加工したり、屋根に設置したりする手間賃です。葺き替えかカバー工法か、屋根の形状などによって変わります。
  • ③ 足場代
    • 安全に作業するための足場を設置・解体する費用。一般的な2階建て住宅で15万円~25万円程度が目安です。
  • ④ 既存屋根材の撤去・処分費(葺き替えの場合のみ)
    • 古い屋根材を剥がして処分する費用。特に古いスレート屋根などにアスベストが含まれている場合は、特別な処分が必要になり費用が高くなることがあります。
  • ⑤ 諸経費(運搬費、現場管理費など)(~約40%)
    • 材料の運搬費や、工事全体の管理、会社の利益などが含まれます。この割合は業者によって差が出やすい部分です。

【ポイント!】

見積もりをもらったら、これらの項目がきちんと記載されているか確認しましょう。「諸経費一式」などと曖昧に書かれている場合は、内訳を質問してみると良いでしょう。不明な点があれば、遠慮なく質問することが大切です。

▼ アスベストの処分費用について気になる方はこちらの記事をご覧ください

費用は何で決まるの?価格を左右するポイント

同じガルバリウム屋根でも、費用が変わってくるのはなぜでしょうか?主な要因を再確認!

  • ガルバリウム鋼板の種類
    断熱材一体型や石粒付きは高め、シンプルなものは抑えめ。
  • 工事の仕方(葺き方)
    屋根は縦葺きが安価、横葺きは高め。外壁は横張りが安価、縦張りは高め。
  • 依頼する業者
    ハウスメーカーやリフォーム会社経由だと中間マージンで割高になることも。 直接施工の専門業者なら費用を抑えられる可能性大!

【節約術】賢くリフォーム!費用を抑える3つのコツ

少しでも費用を抑えたい!という方のために、賢くリフォームするコツをご紹介します。

相見積もりでしっかり比較検討!

これは基本中の基本!必ず2~3社以上から見積もりを取りましょう。同じ条件で見積もりを比較することで、不当に高い業者や、逆に安すぎて手抜き工事が疑われる業者を見抜くことができます。見積もり内容だけでなく、担当者の対応、提案内容、保証内容なども比較して、総合的に信頼できる業者を選びましょう。

補助金・助成金、火災保険をチェック!

補助金・助成金

お住まいの自治体によっては、省エネ改修(断熱性能向上など)や耐震改修を目的としたリフォームに補助金が出る場合があります。ガルバリウム屋根へのリフォームが対象になる可能性もあるので、自治体のホームページなどで確認してみましょう。

火災保険

台風や強風、雪、雹(ひょう)などの自然災害で屋根が破損した場合、火災保険が適用されて修理費用が補償されることがあります。「もしかして?」と思ったら、まずは契約している保険会社に相談してみましょう。ただし、「保険金が使える」と勧誘してくる業者には注意が必要です。

中間マージンのない「直接施工」の専門業者を選ぶ!

先ほども触れましたが、ハウスメーカーや大手リフォーム会社に依頼すると、実際の工事は下請けの板金業者などが行い、その間に中間マージン(紹介料など)が発生していることがほとんどです。
一方、自社で職人を抱え、直接工事を行う建築板金工事会社などに依頼すれば、この中間マージンがかからず、適正価格で質の高い工事が期待できます。

ホームページや会社情報で「自社施工」「直接工事」などを謳っていても、実際は外注というケースもあるため、会社の所在地(倉庫や作業場の有無)、建設業許可の有無、施工実績などをしっかり確認しましょう。

ガルバリウム屋根 vs 他の屋根材!どっちがいいの?

屋根材はガルバリウム以外にも色々あります。代表的なものと比べてみましょう。(再掲)

屋根材の種類耐用年数(目安)費用(葺き替え・㎡単価)重さ(ガルバリウム比)メリットデメリット
ガルバリウム鋼板30~40年5,000~10,000円軽い(基準)軽量、高耐久、デザイン豊富、カバー工法向き、耐火性、リサイクル可断熱性・遮音性△、サビの可能性、衝撃にやや弱い
スレート10~35年4,000~10,000円やや軽い(約5倍)価格が比較的安い、色やデザイン豊富割れやすい、定期的な塗装が必要
日本瓦/セメント瓦20~50年以上5,000~12,000円重い(約10倍)高耐久、断熱性・遮音性◎、塗装不要(日本瓦)重い、初期費用が高い、地震に弱い
アスファルトシングル20年程度比較的安い軽い(ガルバリウム同等)安価、軽量、複雑な形状に対応しやすい耐久性がやや低い、風で剥がれることも
ジンカリウム鋼板30~50年8,000〜22,000円軽い(ガルバリウム同等)高耐久、デザイン性(石粒付き)、軽量、静音性◎ガルバリウムより高価になる傾向

【ポイント!】

ガルバリウム鋼板は、耐久性と価格のバランスが良いのが特徴です。特にリフォームでは、軽さを活かしたカバー工法ができるため、非常に人気があります。

【重要】ガルバリウム屋根の弱点を克服!快適性を高める工夫

ガルバリウム屋根のデメリットとして挙げた「断熱性」と「遮音性」。でも、諦める必要はありません!いくつかの工夫で、これらの弱点をカバーし、より快適な住まいにすることができます。

暑さ・寒さ対策

真夏の暑さや冬の寒さを和らげるための対策です。

  • 【定番】断熱材一体型製品を選ぶ
    ガルバリウム鋼板の裏側に断熱材が貼り合わされているタイプ。施工も一度で済み、手軽に断熱性を高められます。多くのメーカーから様々な製品が出ています。
  • 遮熱塗料で塗装する
    太陽光(特に赤外線)を反射する効果のある塗料で表面を塗装します。屋根の温度上昇を抑える効果が期待できます。(新築時や、将来の塗装メンテナンス時に選択可能)
  • 屋根断熱をしっかり行う(主に葺き替え時)
    屋根材の下(野地板の上)に、断熱材を敷き詰める方法。より高い断熱効果を得られます。
    • おすすめ工法「断熱通気工法」
      屋根材と断熱材の間に空気の通り道(通気層)を設ける工法。湿気を排出し結露を防ぎつつ、熱気を逃がす効果があり、断熱効率を高めます。
  • 天井裏(小屋裏)に断熱材を敷く
    屋根だけでなく、家全体の断熱性を高めるのに非常に効果的です。屋根リフォームと同時に行うことも可能です。

雨音対策

雨音が気になる場合に有効な対策です。

  • 【定番】断熱材一体型製品を選ぶ
    裏打ちされた断熱材が、雨音を吸収・軽減する効果も持っています。
  • 制振材・吸音材を使用する
    屋根材の裏に、音の振動を抑える「制振材」や音を吸収する「吸音材」を貼る方法もあります。
  • 【効果大】ジンカリウム鋼板(石粒付き鋼板)を選ぶ
    表面にコーティングされた天然石の粒が雨粒を拡散させるため、金属屋根とは思えないほど静かです。デザイン性も独特で人気がありますが、ガルバリウム鋼板より価格は高めになる傾向があります。
  • 屋根断熱・天井裏断熱
    暑さ・寒さ対策でご紹介したこれらの方法も、副次的に防音効果が期待できます。

【ポイント!】

どの対策が最適かは、お住まいの状況や予算、求める性能によって異なります。施工業者とよく相談し、最適な方法を選びましょう。

後悔しない!ガルバリウム屋根の選び方&業者選びのキホン

ガルバリウム鋼板 屋根

せっかくガルバリウム屋根にするなら、満足いく仕上がりにしたいですよね。後悔しないためのポイントをチェックしましょう。

色選びのヒント

ガルバリウム屋根はカラーバリエーションが豊富!

黒やシルバー、ブラウン、グリーン、ブルーなど、様々です。

「濃い色は熱を吸収しやすいって聞くけど…?」と心配になるかもしれませんが、最近のガルバリウム屋根は断熱対策を併せて行うことが多いので、色による温度差をそこまで神経質に気にする必要はないでしょう。(遮熱塗料を選ぶという選択肢もあります)

それよりも、外壁の色とのバランスや、家全体のイメージに合わせて、好みの色を選ぶのがおすすめです。汚れが目立ちにくい色(中間色など)を選ぶという視点もあります。迷ったら、業者さんにカラーシミュレーションをお願いしてみるのも良いでしょう。

▼ ガルバリウムの色選びに迷ったら…こちらの記事をご覧ください

失敗しない!業者選び 3つの鉄則

ガルバリウム屋根の性能を最大限に引き出すには、確かな技術を持った業者さんに施工してもらうことが何よりも大切です!業者選びで失敗しないためのポイントはこちら。

  1. 相見積もりでしっかり比較!
    (前述の「節約術」参照)費用だけでなく、提案内容や担当者の人柄、保証内容なども比較しましょう。安さだけで飛びつかず、信頼できる業者かをじっくり見極めることが重要です。
  2. 「メンテナンス不要」の甘い言葉にご用心!
    ガルバリウム屋根は長持ちしますが、「絶対に手入れがいらない」わけではありません。「この屋根なら一生メンテナンスフリーですよ!」などと、良いことばかりを強調してくる業者さんには少し注意が必要です。定期的な点検や状況に応じたメンテナンスは必要だということを、正直に説明してくれる業者さんを選びましょう。
  3. ガルバリウム屋根の施工実績が豊富な専門業者に依頼!
    ガルバリウム鋼板のような金属屋根の施工には、専門的な知識と技術が必要です。

💡 ガルバリウム施工で特に注意すべき「電食」とは?

ガルバリウム鋼板は、銅やステンレスなど、異なる種類の金属と直接触れると、「電食(でんしょく)」という化学反応を起こし、通常よりも早くサビてしまうことがあります。例えば、屋根の上に銅製の釘が落ちていたり、異なる金属製の部材が接触したまま施工されたりすると、雨水などを介して電食が発生しやすくなります。

経験豊富な専門業者であれば、こうしたリスクを理解し、絶縁処理を施したり、使用する部材を統一したりするなど、適切な対策を講じてくれます。知識や経験の浅い業者に依頼すると、こうした配慮がされず、数年でサビが発生してしまうケースもあるため注意が必要です。

ホームページや口コミなどで、ガルバリウム屋根の施工実績が豊富かどうかを確認しましょう。自社で職人さんを抱えている建築板金工事会社などは、専門性が高く、中間マージンもかからないため、おすすめです。(前述の「節約術」も参照)

【プロが教える】ガルバリウム屋根のメーカー選び

「どのメーカーのガルバリウム鋼板を選べばいいの?」と迷う方もいるかもしれませんね。国内には様々なメーカーがあり、それぞれ特徴的な製品を出しています。

代表的な建材メーカー(例)

選び方のポイント

  • デザイン: 好みの色や形状があるか。
  • 機能性: 断熱性、遮音性、防汚性などの付加機能が必要か。
  • 保証: メーカー保証の内容や期間。
  • 価格: 予算に合うか。

どのメーカーが良いかは一概には言えません。施工業者さんと相談しながら、ご自身の希望や予算に合った製品を選ぶのが良いでしょう。

▼ ガルバリウム鋼板のメーカーについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

【ガルバリウム屋根メーカー比較】人気6社を徹底解説!選び方とおすすめ商品も紹介

ガルバリウム屋根、どうやってお手入れするの?(メンテナンス)

せっかくのガルバリウム屋根、できるだけ長くきれいに使いたいですよね。メンテナンスの基本をご紹介します。

普段できるお手入れ

基本的には、年に1~2回程度、水をかけて表面の汚れ(ホコリ、砂、鳥のフン、落ち葉など)を洗い流すだけでOKです。特に、雨があまりかからない軒下などは汚れが溜まりやすいので、意識して水をかけてあげましょう。高圧洗浄機を使う必要はありません。ホースで優しく水をかける程度で十分です。

定期的な点検と塗装

ガルバリウム鋼板自体は長持ちしますが、表面の塗装は紫外線などによって少しずつ劣化していきます。色あせやチョーキング(触ると白い粉が付く現象)が見られたら、塗装メンテナンスのサイン。

10年~15年に一度を目安に、専門業者に点検を依頼し、必要であれば塗装を行いましょう。これにより、サビの発生を防ぎ、美観を保つことができます。

▼ ガルバリウムの塗装とメンテナンスについての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

メンテナンスで見落としがちなポイントは?

ご自身で水をかける際や、業者に点検を依頼する際には、屋根の表面だけでなく、棟板金(屋根のてっぺん)やケラバ(屋根の端)などの「役物」、そして雨樋(あまどい)の状態もチェックすることが大切です。特に棟板金は、釘が浮いたり、内部の木材が劣化したりしやすい箇所です。

ここから雨水が浸入すると、雨漏りの原因になります。また、雨樋が落ち葉などで詰まっていると、雨水がうまく流れず、屋根材や外壁を傷める原因にもなります。定期的な点検で、こうした部分の異常にも早めに気づくことが、屋根全体の寿命を延ばす秘訣です。(屋根診断士 B氏)

こんな症状が出たら要注意!

  • サビ: 赤いサビや白い斑点のようなサビが出てきたら早めに補修が必要です。
  • キズやへこみ: 強風で物が飛んできたりしてキズが付くと、そこからサビが広がる可能性があります。大きな凹みは見た目も損ないます。
  • 穴あき: 劣化が進むと穴が開いてしまうことも。雨漏りの原因になります。
  • 屋根材の浮きや剥がれ、棟板金の釘浮き: 強風の影響などで起こることがあります。放置すると被害が拡大します。

これらの症状を見つけたら、すぐに専門業者に相談しましょう。

葺き替えやカバー工法のタイミング

塗装などのメンテナンスを行っていても、20年~30年ほど経つと、屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)なども寿命を迎えます。雨漏りを防ぐためにも、このタイミングで葺き替えカバー工法(※1回目のみ可能)によるリフォームを検討するのがおすすめです。

▼ ガルバリウムの工事の雨漏りの原因や工事のタイミングはこちらの記事をご覧ください

【FAQ】ガルバリウム屋根の疑問、解決します!

QA

ガルバリウム屋根に関する、よくある質問をまとめました。

カバー工法と葺き替え、結局どっちがいいの?

状況によりますが、選び方のポイントは以下の通りです。
カバー工法がおすすめなケース

  • 既存屋根がスレートなどの平らな屋根材。
  • 下地(野地板)が傷んでいない、雨漏りしていない。
  • 費用や工期を抑えたい。

葺き替えがおすすめなケース

  • 既存屋根が瓦など凹凸がある。
  • 下地が傷んでいる、雨漏りしている。
  • 耐震性をより高めたい(軽い屋根に交換したい)。
  • 将来的に太陽光パネルの設置を考えている。
  • すでに一度カバー工法をしている(二重のカバー工法は基本的にNG)。

迷ったら、必ず業者に診断してもらい、相談しましょう。

横葺きと縦葺き、性能や費用に違いはある?

縦葺き

雨水が流れやすく、緩い勾配にも対応しやすい。施工が比較的シンプルで費用も抑えめ。デザインは縦のラインが強調される。

横葺きデザイン的にすっきりした印象で人気。縦葺きより少し費用が高くなる傾向。一般的に2.5寸以上の勾配が必要。

どちらも適切に施工されれば性能に大きな差はありません。屋根の形状、勾配、デザインの好み、予算で選びましょう。

▼ 縦葺きと横葺きについて詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

メンテナンスって、具体的にいつ頃、何をすればいいの?

  • 普段のお手入れ: 年1~2回の水洗い(ホースで優しく)。
  • 専門家による点検: 10年を目安に依頼。サビやキズ、棟板金などをチェック。
  • 塗装メンテナンス: 15年前後が目安(色あせやチョーキングがサイン)。美観維持と耐久性向上のため。
  • 葺き替え/カバー工法: 20年~30年を目安に検討(防水シートの寿命)。

立地環境によって劣化速度は変わるので、定期的な点検が重要です。

▼ ガルバリウムのメンテナンスについての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

やっぱり雨音はうるさい?どのくらい軽減できるの?

瓦などに比べると音は伝わりやすいですが、断熱材一体型の製品を選べば、日常生活で気になるレベルまで軽減されることが多いです。メーカーによっては「豪雨でも室内ではささやき声程度」と謳っている製品もあります。

「弱点対策」で紹介した方法を組み合わせれば、さらに静音性を高めることも可能です。心配な方は、施工事例を見たり、業者にサンプルなどで確認させてもらうと良いでしょう。

〇〇坪(または〇〇㎡)の家だと、大体いくらくらい?

家の形状や使う材料で大きく変わりますが、例えば30坪(約100㎡)の家なら、カバー工法で85万円~125万円、葺き替えで100万円~150万円程度が一つの目安になります。正確な費用は必ず見積もりで確認してください。

ローンやリフォーム減税は使える?

屋根リフォームで利用できるリフォームローンがあります。また、一定の要件を満たす省エネ改修や耐震改修を行った場合、所得税の控除などの減税制度を利用できる可能性があります。詳しくは金融機関や税務署、リフォーム業者にご確認ください。

工事期間はどれくらい?

屋根の大きさや天候にもよりますが、カバー工法で3日~7日程度、葺き替えで7日~14日程度が目安です。足場の設置・解体期間も含まれます。

保証はどうなってるの?

多くの場合、「メーカーによる製品保証(穴あき、赤サビなど)」と、「施工業者による工事保証(施工不良による雨漏りなど)」の2種類があります。保証期間や内容はメーカー・業者によって異なるので、契約前にしっかり確認しましょう。

DIYで施工できる?

材料自体はホームセンターなどで手に入ることもありますが、屋根工事は高所作業であり、専門的な知識と技術が必要です。施工不良は雨漏りなどの重大な欠陥につながるため、DIYは絶対に避け、必ず専門業者に依頼してください。

結局、SGL鋼板とガルバリウム鋼板、どっちが良い?

SGL鋼板の方が、よりサビに強く、特に沿岸部など厳しい環境での耐久性が期待できます。価格はSGLの方がやや高くなる傾向がありますが、その差は小さくなってきています。現在ではSGLが主流になりつつあるため、特別な理由がなければSGLを選ぶのがおすすめです。業者さんにも相談してみましょう。

まとめ:ガルバリウム屋根で、快適でおしゃれな住まいを実現しよう!

今回は、人気のガルバリウム屋根について、費用相場からメリット・デメリット、弱点対策、業者選びのコツまで詳しく解説しました。

【ガルバリウム屋根のポイントおさらい】

  • 軽くて丈夫! 地震に強く、耐久性も高い(耐用年数30年以上も期待できる)。耐火性もあり、リサイクルも可能。
  • リフォームに最適! カバー工法なら費用も抑えやすい(ただし事前の診断が重要)。
  • デザインがおしゃれ! 色や形も豊富で、どんな家にも合わせやすい。
  • 費用はバランス型! 費用の内訳を理解し、節約術も活用しよう。
  • 弱点も理解して対策! 断熱性・遮音性は工夫次第で克服可能。サビや凹みにも注意。
  • 業者選びが超重要! 相見積もりと実績確認、専門知識(電食対策など)のある直接施工業者選びを!

ガルバリウム屋根は、メリット・デメリットをきちんと理解し、信頼できる業者さんに適切な施工をしてもらえば、きっとあなたの住まいをより快適で、よりスタイリッシュにしてくれるはずです。

この記事が、あなたの屋根選びの助けとなり、納得のいくリフォームや家づくりにつながることを願っています!

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