「ディプロマットって高機能で良さそうだけど、実際のところ、いくらかかるの?」
「見積もりを取ったけど、この金額って妥当なのかな…?」
前回解説したディプロマットの魅力(メリット・デメリット記事はこちら!)。耐久性やデザイン性に惹かれつつも、やっぱり気になるのは「お金」のことですよね。
屋根リフォームは決して安い買い物ではありません。だからこそ、費用についてしっかり理解し、納得した上で進めたいもの。
この記事では、ディプロマットを使った屋根リフォームにかかる費用に徹底的にフォーカス!
- ズバリ!費用相場はどれくらい?
- 何にどれくらいお金がかかるの?(費用の内訳)
- 価格が変動する要因って何?
- 他の屋根材と比べて結局お得なの?
- 少しでも費用を抑える方法はある?
など、皆さんが知りたい費用に関する疑問を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、ディプロマットの費用感が掴め、予算計画や業者選びに役立つこと間違いなしです!
まず知っておこう!屋根リフォーム費用の決まり方
ディプロマットの価格を見る前に、そもそも屋根リフォームの費用が何で構成されているのかを知っておきましょう。大きく分けて以下の要素があります。
- 材料費
- 屋根材本体: ディプロマット本体の費用です。
- 役物(やくもの): 屋根のてっぺん(棟)や端(軒先・ケラバ)、壁との境目などに使う部材。ディプロマット本体と同じ素材で作られた「同質役物」と、ガルバリウム鋼板などで作られた「標準役物」があり、価格が異なります。
- 防水シート(ルーフィング): 屋根材の下に敷く、雨漏りを防ぐための重要なシート。種類によって耐久性や価格が異なります。
- 下地材(野地板など): 必要に応じて補修・交換する場合にかかる費用。
- 施工費(工事費)
- 職人さんの人件費や技術料です。屋根の形状や勾配(傾斜)、工法(カバー工法か葺き替えか)によって変わります。
- 足場代
- 安全に作業するための足場の設置・解体費用。家の大きさや高さによって変動します。屋根工事には必須です。
- 既存屋根の撤去・処分費(葺き替えの場合)
- 古い屋根材を撤去し、適切に処分するための費用。特にアスベストを含む屋根材の場合は高額になることがあります。カバー工法の場合は、棟板金などの一部撤去費用のみかかります。
- 諸経費
- 現場管理費、運搬費、保険料など。業者によって計上方法が異なります。
ポイント
見積もりを見る際は、これらの項目がきちんと記載されているか確認しましょう。「工事一式 〇〇円」のような大雑把な見積もりには注意が必要です。
ディプロマット本体の価格相場は?
まず気になるのが、ディプロマット自体の材料価格ですよね。1㎡あたりの価格目安は以下のようになっています。
- ディプロマットスター: 8,600円~/㎡ (定価 10,450円)
※これはあくまで参考価格であり、販売店や時期、購入量によって変動します。
※この価格は「本体のみ」の価格です。役物や施工費などは含まれていません。
ディプロマット屋根リフォームの総額費用相場
では、実際にディプロマットを使って屋根リフォームを行う場合、トータルでどれくらいの費用がかかるのでしょうか?工法別に見ていきましょう。
1. カバー工法の場合
既存の屋根(主にスレートや軽量な金属屋根)の上に、ディプロマットを重ねて葺く工法です。撤去費用が抑えられるのがメリットです。
- 一般的な戸建て(屋根面積 60㎡程度)の参考価格:約63万円~
- 内訳例:ディプロマット本体 約40万円、付帯工事 約20万円、廃材処分費 約3万円 + 諸経費
- 一般的な戸建て(屋根面積 100㎡程度)の費用相場: 約90万円 ~ 150万円 (足場代込み)
※屋根の面積や形状、付帯工事の内容によって変動します。
▼ カバー工法についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください
2. 葺き替え工法の場合
既存の屋根材をすべて撤去し、新しいディプロマットを葺く工法です。下地の状態を確認・補修できるメリットがありますが、撤去・処分費用がかかります。
- 一般的な戸建て(屋根面積 100㎡程度)の費用相場: 約120万円 ~ 200万円 (足場代、既存屋根撤去・処分費込み)
※既存屋根材の種類(アスベスト有無など)や下地の状態によって費用は大きく変動します。
重要: 上記の価格はあくまでも目安です。実際の費用は、次に説明する様々な要因によって大きく変わってきます。
要注意!ディプロマットの価格を左右する7つの要因
「うちの場合はいくらになるの?」を知るために、価格が変動する具体的な要因を見ていきましょう。見積もりを比較する際にも重要なポイントです。
- 屋根の面積
当然ですが、屋根が広ければ広いほど、材料費も施工費も高くなります。 - 屋根の形状
- 切妻(きりづま): 本のようなシンプルな形。材料ロスが少なく、施工もしやすいため比較的安価。
- 寄棟(よせむね): 四方に傾斜がある形。角が多く、材料のカットや加工が増えるため、切妻より高くなる傾向があります。
- 複雑な形状: 屋根面が多かったり、ドーマー(屋根窓)があったりすると、手間が増えるためさらに高くなります。
- 屋根の勾配(傾斜)
- 緩勾配(2.5寸~6寸未満): 標準的な施工費。
- 急勾配(6寸以上): 屋根の上が滑りやすく作業効率が落ちるため、追加の安全対策(屋根足場など)や割増料金が必要になる場合があります。
- 2.5寸未満の超緩勾配: ディプロマットは基本的に施工できません。
- 既存屋根の状態と種類(特に葺き替えの場合)
- 下地の劣化: 既存の野地板が腐食している場合、補強(合板増し張りなど)が必要になり、追加費用が発生します。
- アスベスト含有屋根材: 2004年以前のスレート屋根などにはアスベストが含まれている可能性があり、その場合、特別な撤去・処分費用がかかり、葺き替え費用が大幅に高くなります。(カバー工法ならこの費用は抑えられます)
- 役物(やくもの)※の仕様
- 標準役物(ガルバリウム鋼板など): 比較的安価。
- 同質役物(ディプロマットと同じ素材・色): 屋根全体に統一感が出て高級感が増しますが、標準役物より高価になります。
- 棟板金の貫板(ぬきいた): 棟板金を固定する下地材。一般的な杉材より、樹脂製やガルバリウム鋼板製の方が高価ですが、耐久性が格段に向上します。(例:杉<樹脂<ガルバリウム)
- 付帯工事の内容
- 雨樋の交換・修理: 屋根工事と同時に行うと足場代が節約できます。
- 雪止め金具の設置: 雪が多い地域では必要になる場合があります。
- 換気棟の設置: 屋根裏の湿気対策に効果的です。
- 軒天や破風板の塗装・補修など。
- 依頼する業者の違い
- 業者ごとに、材料の仕入れ値、職人の単価、利益率などが異なるため、同じ工事内容でも見積もり金額に差が出ます。
※役物(やくもの)とは?
※役物(やくもの)とは、 屋根のメインとなる平らな部分(屋根材本体)以外に取り付けられる、様々な形状をした部材のことです。
どこに使われるの?
- 屋根のてっぺん部分(棟/むね)
- 屋根の先端、雨樋が付く部分(軒先/のきさき)
- 屋根の斜めになっている端の部分(ケラバ)
- 外壁と屋根がぶつかる部分(雨押え/あまおさえ) など
どんな役割があるの?
- 雨水の浸入を防ぐ(雨仕舞/あまじまい)
- 屋根材をしっかり固定する
- 屋根全体の見た目をきれいに仕上げる
料理でいう「薬味」のように、主役の屋根材を引き立て、屋根全体の機能と美観を高める、無くてはならない重要なパーツだと覚えておいてくださいね!
ディプロマット vs 他の屋根材 コスト比較(長期視点で見ると?)
「ディプロマットって、やっぱり初期費用は高いんだな…」と感じたかもしれません。しかし、ここで「長期的な視点」を持つことが重要です。
屋根材 | 初期費用 (目安) | 30年間のメンテ費用 (目安) | 30年トータル (目安) | 特徴 |
スレート | 安価 | 2~3回の塗装が必要 (高) | 中~高 | 定期メンテ必須。劣化進行で葺き替えも |
ガルバリウム鋼板 | やや高め | 1~2回の塗装推奨 (中) | 中 | 比較的メンテ楽だが、塗装推奨の場合あり |
ディプロマット | 高め | ほぼ不要 (低) | 中~高 | 塗装不要!長期保証(30年)で安心感◎ |
陶器瓦 | 高い | 漆喰補修など (低~中) | 高 | 非常に長持ちだが、初期費用と重量がネック |
ポイント
- ディプロマットは初期費用こそ高めですが、基本的に塗り替えメンテナンスが不要です。スレート屋根のように10~15年ごとに数十万円かかる塗装費用が抑えられるのは大きなメリットです。
- さらに、メーカーによる30年の長期保証が付いている点も、安心感と長期的なコストパフォーマンスにつながります。
つまり、30年以上の長いスパンで見れば、メンテナンス費用を含めたトータルコストでは、初期費用が安い屋根材よりも結果的に割安になる可能性が高いのです。
【賢く節約】ディプロマット費用を抑えるためのヒント
「少しでも安く抑えたい!」と思うのは当然ですよね。品質を落とさずに費用を抑えるためのヒントをいくつかご紹介します。
- 相見積もりを必ず取る!
- 最低3社から見積もりを取りましょう。工事内容、使用材料、保証内容、そして価格をしっかり比較検討します。
- 注意点: 単純に一番安い業者を選ぶのは危険です。安さの裏には、手抜き工事や質の低い材料、不十分な保証といったリスクが隠れている可能性もあります。価格だけでなく、提案内容や担当者の対応、実績なども含めて総合的に判断しましょう。
- 補助金・助成金を活用する
- お住まいの自治体によっては、省エネリフォーム(断熱改修)や耐震改修に関する補助金制度がある場合があります。ディプロマットは断熱性・軽量性に優れるため、対象となる可能性があります。
- まずは自治体のホームページを確認したり、リフォーム業者に相談してみましょう。
- 火災保険の適用を検討する
- もし、屋根のリフォームのきっかけが台風、強風、雪、雹(ひょう)などの自然災害による破損である場合、加入している火災保険が適用できる可能性があります。
- 自己判断せず、まずは契約している保険会社や、保険申請に詳しいリフォーム業者に相談してみましょう。(申請サポートを謳う業者には注意も必要です)
- 工事時期を検討する(可能性は低いが)
- リフォーム業界にも繁忙期(春・秋)と閑散期(夏・冬)があります。閑散期に依頼すると、もしかしたら多少の価格交渉に応じてくれる可能性もゼロではありません。ただし、期待しすぎないようにしましょう。
- リフォーム業界にも繁忙期(春・秋)と閑散期(夏・冬)があります。閑散期に依頼すると、もしかしたら多少の価格交渉に応じてくれる可能性もゼロではありません。ただし、期待しすぎないようにしましょう。
- 不要なオプション工事は見送る
- 見積もりの中に、本当に今必要な工事か判断が難しい項目があれば、業者に理由を確認しましょう。緊急性の低いものは、次の機会に検討するという選択肢もあります。ただし、屋根の耐久性や安全性に関わる工事(下地補修など)を削るのは絶対にNGです。
- 見積もりの中に、本当に今必要な工事か判断が難しい項目があれば、業者に理由を確認しましょう。緊急性の低いものは、次の機会に検討するという選択肢もあります。ただし、屋根の耐久性や安全性に関わる工事(下地補修など)を削るのは絶対にNGです。
要チェック!見積もりを見る際の注意点
業者から見積もりを受け取ったら、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 各項目が詳細に記載されているか? (「〇〇工事一式」ではなく、単価×数量が基本)
- 使用する材料名(ディプロマットの種類、ルーフィングの製品名など)が明記されているか?
- 屋根の面積や各箇所の長さ(m数)は正確か?
- 諸経費の内訳は明確か? (不明瞭な場合は説明を求める)
- 保証内容(メーカー保証、工事保証)と期間が記載されているか?
- 見積もりの有効期限はいつまでか?
- 不明な点、疑問点は残っていないか? (納得いくまで質問する!)
ポイント
しっかりした業者は、分かりやすく詳細な見積もりを作成し、質問にも丁寧に答えてくれるはずです。
まとめ:ディプロマットの価格は「長期視点」で判断しよう!
今回は、ディプロマット屋根リフォームの費用について詳しく解説しました。
- 費用相場(100㎡目安): カバー工法で約90~150万円、葺き替えで約120~200万円(※あくまで目安)
- 価格変動要因: 屋根の面積、形状、勾配、下地の状態、役物の仕様、付帯工事、業者選定など多岐にわたる。
- コストパフォーマンス: 初期費用は高めだが、メンテナンスフリーに近い点と長期保証を考慮すると、トータルコストでは有利になる可能性が高い。
ディプロマットは、確かに初期投資としては安価な屋根材ではありません。しかし、その優れた耐久性、メンテナンスの手間がほとんどかからない点、そして長期保証といったメリットを考えると、「将来への賢い投資」と捉えることができます。
最終的な費用は、あなたの家の屋根の状態や希望する工事内容によって大きく異なります。まずは信頼できる専門業者に現地調査を依頼し、あなたの家に最適なプランと正確な見積もりを出してもらうことから始めましょう。
この記事が、あなたの賢い屋根リフォーム計画の一助となれば幸いです。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
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「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。