屋根瓦で大切な漆喰補修工事のキホン

屋根瓦の設置には欠かせない資材といえば、「漆喰（しっくい）」です。漆喰が劣化すると、瓦がずれ、雨水が浸入しやすくなるので、補修が必要です。忘れてはならない漆喰補修工事のキホンについてわかりやすくまとめました。

漆喰の特徴となぜ瓦に使われるのか？

日本瓦に使用されているのが、漆喰です。漆喰の役割は、瓦と瓦の間の隙間を塞ぎ、雨水の浸入を防ぐことが第一です。

地震の振動や台風などの強風により、瓦がズレることもありますので、漆喰には瓦をしっかりと固定する役割もあります。

漆喰の主成分は、水酸化カルシウムです。漆喰の寿命は、20～25年程度ですが、15年程度でメンテナンスや補修が必要になることがあります。

漆喰は、昔からあり、屋根瓦だけではなく、家の内壁にも使用されてきました。漆喰には、消臭効果や防カビ性能があり、通気性がよいので、天然の除湿や加湿ができる優れた建材です。

漆喰は、寿命を迎える前にも補修工事が必要になることがあります。

目視で確認できる場合は、漆喰がボロボロになっているところがわかるはずです。他には、瓦のズレ、漆喰の表面のヒビなどが見つかったら、そろそろ漆喰の寿命が過ぎている可能性があります。

目視では確認できない場合でも、天井からの雨漏りの発生は、屋根の漆喰部分の不具合や劣化が原因となっていることがあるようです。

雨漏りは、漆喰以外にも外壁や屋根材、下地の傷みや破損の可能性もありますので、信頼できる屋根点検業者に総合的に点検してもらう必要があるでしょう。漆喰の変色は、不具合の目安にはなりませんので、気にしなくても大丈夫です。

漆喰補修では、既存の漆喰を全て除去する必要があり、その下地にある葺き土なども取り除いて交換する必要があります。棟瓦のズレなどは、もう一度最初から作り直す「棟瓦の取り直し工事」が行われます。

漆喰の補修工事の相場は、1メートルあたり、5千円～です。足場を設置して作業する場合は、1メートルあたり、700円～の費用がかかります。一般的な規模の住宅なら、漆喰補修は、39～67万円程度の費用がかかります。

他にも棟の取り直し工事（1メートルあたり1万円～）、瓦の割れや劣化による交換作業は、瓦の枚数だけの追加費用がかかります。漆喰補修や瓦を積むことができる職人が少ないため、漆喰補修の費用は全体的に高くなってしまいます。

屋根瓦や漆喰の崩れ・破損が、台風や突風、大雨などの自然災害によるものであれば、住宅総合保険や火災保険の保険金で修理できるかどうかをまず検討したほうがいいでしょう。無駄な費用を払うことなく、必要な修理ならできるだけ安く修理することも重要なことです。

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