「うちの工場のトタン屋根、なんだか古くなってきたな…」
「雨漏りも心配だし、そろそろ何とかしないと…でも、張り替えと補修、どっちがいいんだろう?」
「費用はどれくらいかかるの?長持ちするのはどっち?」
工場や倉庫のオーナー様、管理者様にとって、屋根のメンテナンスは頭の痛い問題ですよね。特に、かつて多くの工場・倉庫で採用された「トタン屋根」は、経年劣化が気になるところ。
この記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、工場・倉庫のトタン屋根について、以下の点を詳しく解説します。
- そもそもトタン屋根ってどんな屋根?
- 劣化のサインと原因は?
- 「張り替え」と「補修」、それぞれのメリット・デメリット、費用、耐久性
- どちらを選ぶべきかの判断基準
- 現代の屋根材の選択肢
- 後悔しないための業者選びのポイント
この記事を読めば、あなたの工場・倉庫のトタン屋根にとって最適なメンテナンス方法が見えてくるはずです。専門知識がない方でも分かりやすいように、図や表も交えながら解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
トタン屋根ってどんな屋根?~工場・倉庫で愛された理由と今の立ち位置~
まず、「トタン屋根」について簡単におさらいしましょう。
トタン屋根とは?
一般的に「トタン」とは、亜鉛でメッキされた薄い鋼板のことを指します。このトタンを使って作られた屋根が「トタン屋根」です。特に工場や倉庫では、屋根材を瓦のように葺くのではなく、垂木(たるき)の上に「心木」と呼ばれる角材を取り付け、その心木にトタン板を巻き込むようにして固定する「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」という工法が多く用いられてきました。
なぜ工場・倉庫で多く使われたの?
- コストが安い:材料費が比較的安価でした。
- 軽量:建物への負担が少ないため、大規模な工場や倉庫にも適していました。
- 施工しやすい:加工が容易で、工事期間も短縮できました。
このような理由から、高度経済成長期を中心に多くの工場や倉庫で採用されました。
現代のトタン屋根(瓦棒屋根)の主流は?
現在では、トタン(亜鉛メッキ鋼板)よりも耐久性や防錆性に優れた「ガルバリウム鋼板」が主流となっています。瓦棒葺き自体は今でも用いられる工法ですが、その素材がトタンからガルバリウム鋼板へと進化しているのです。
特徴 | トタン(亜鉛メッキ鋼板) | ガルバリウム鋼板 |
---|---|---|
耐久性 | やや劣る(錆びやすい) | 優れている(トタンの3~6倍とも言われる) |
防錆性 | 傷がつくとそこから錆びやすい | 自己修復機能があり、傷から錆びにくい |
価格 | 安価 | トタンよりは高価だが、総合的なコスパは良い |
その他 | 以前は主流だった | 現在の金属屋根の主流素材 |
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見逃さないで!トタン屋根の劣化サインと主な原因
大切な工場・倉庫を守るためにも、トタン屋根の劣化サインを見逃さないことが重要です。
こんな症状は要注意!劣化のサイン
- 錆(サビ)の発生:赤茶色の錆が広範囲に見られる。特に釘周りや板の端、傷ついた箇所。
- 塗膜の劣化・剥がれ:表面の塗料が色あせたり、パリパリと剥がれたりしている。
- 穴あき・腐食:錆が進行し、屋根材に穴が開いてしまっている。
- 雨漏り:天井や壁にシミがある、ポタポタと水が落ちてくる。
- 屋根材の浮き・変形:強風などで屋根材が浮いたり、変形したりしている。
- 釘の浮き・抜け:屋根材を固定している釘が浮いたり、抜けたりしている。
劣化が進む主な原因
- 経年劣化:どんな建材も時間と共に劣化します。トタンも例外ではありません。
- 紫外線:太陽からの紫外線は、屋根表面の保護塗料を劣化させ、トタン自体をむき出しにしてしまいます。
- 雨水・湿気:金属であるトタンは、雨水や湿気に長時間さらされると錆びやすくなります。特に屋根材の継ぎ目や傷、釘穴などから水分が浸入しやすいです.
- 外的要因:飛来物による傷、強風によるダメージ、塩害(沿岸部の場合)なども劣化を早める原因となります。
これらのサインを見つけたら、早めの対処が必要です。放置すると雨漏りが建物の構造材まで腐食させ、大規模な修繕が必要になることもあります。
トタン屋根の対処法:「張り替え」と「補修」、どっちを選ぶ?
劣化したトタン屋根の主な対処法は「張り替え(葺き替え)」と「補修」の2つです。それぞれのメリット・デメリット、費用、耐久性を比較してみましょう。
1. 張り替え(葺き替え)
古いトタン屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。
メリット
- 根本的な解決:錆や雨漏りの原因を根本から解消できます。
- 長期的な耐久性:新しい屋根材(特にガルバリウム鋼板など)にすることで、20年以上の耐久性が期待できます。
- 美観の向上:見た目が新しくなり、工場・倉庫のイメージアップにも繋がります。
- 機能性向上も可能:張り替え時に断熱材を入れたり、遮熱性の高い屋根材を選んだりすることで、工場内の作業環境改善や省エネ効果も期待できます。
- 建物の軽量化:より軽量な屋根材を選ぶことで、耐震性を向上させることも可能です。
デメリット
- コストが高い:材料費、撤去費、工事費など、補修に比べて費用が高額になります。
- 工期が長い:屋根全体を工事するため、数週間~1ヶ月程度の工期がかかる場合があります。その間、工場の稼働に影響が出る可能性も考慮が必要です。
- 廃材処理費:古いトタン屋根の撤去・処分費用が発生します。
費用目安
- 5,000円~18,000円/㎡程度
- ※使用する屋根材の種類(ガルバリウム鋼板など)、下地の状態、建物の規模や形状、立地条件によって大きく変動します。
- ※古い屋根材にアスベストが含まれている場合(波板スレートなどからの葺き替え時)、撤去・処分費用が別途高額になることがあります。トタン屋根自体にはアスベストは含まれませんが、下地などに使われている可能性はゼロではありません。
耐久性の目安
- 20年~30年以上(新しい屋根材の種類やメンテナンス状況による)
2. 補修
屋根の一部分の劣化箇所だけを修理する方法です。
メリット
- コストが安い:張り替えに比べて費用を大幅に抑えられます。
- 工期が短い:部分的な作業なので、数日~1週間程度で完了することが多く、工場の稼働への影響を最小限にできます。
- 応急処置として有効:予算や時間の都合で本格的な工事が難しい場合の応急処置として有効です。
デメリット
- 一時的な対策:根本的な解決ではないため、数年後に別の箇所で劣化が再発する可能性があります。
- 広範囲の劣化には不向き:錆や腐食が広範囲に及んでいる場合、補修だけでは十分な効果が得られません。
- 見た目の問題:補修箇所だけ新しくなり、他の部分との差が目立つことがあります。
補修の種類と費用目安
補修の種類 | 内容 | 費用目安(/㎡または1箇所) |
塗装 | 錆を落とし、錆止め塗装、仕上げ塗装を行う。防水・防錆効果の回復。 | 4,000円~7,000円/㎡程度 |
部分的な板金交換 | 穴あきや著しく劣化した部分のトタン板を新しいものに交換する。 | 数万円~/箇所 |
コーキング補修 | 屋根材の継ぎ目や釘頭などの隙間をコーキング材で埋め、雨水の浸入を防ぐ。 | 数千円~数万円/箇所 |
錆止め処理 | 発生している錆を除去し、錆止め塗料を塗布する。 | 状況により変動 |
※上記はあくまで目安です。劣化状況や範囲によって費用は大きく変わります。
耐久性の目安
- 5年~10年程度(補修内容や劣化状況、メンテナンス状況による)
あくまで応急処置的な意味合いが強い場合が多いです。
「張り替え」vs「補修」比較まとめ
項目 | 張り替え(葺き替え) | 補修 |
---|---|---|
解決度 | 根本的 | 一時的・部分的 |
耐久性 | 高い(20年以上) | 低い(5~10年程度) |
費用 | 高い | 安い |
工期 | 長い | 短い |
美観 | 全体的に向上 | 部分的、ムラが出ることも |
機能性向上 | 可能(断熱材など) | 限定的 |
おすすめな人 | 長期的な安心が欲しい、劣化が進んでいる、美観も重視したい | 予算を抑えたい、応急処置をしたい、劣化が部分的で軽微 |
張り替え?補修?迷った時の判断基準
「結局、うちの工場はどっちを選べばいいの?」と迷いますよね。以下のポイントを参考に、総合的に判断しましょう。
- 劣化の範囲と深刻度
- 広範囲に錆や腐食、穴あきがある場合 → 張り替え推奨
- 雨漏りが頻繁に発生している場合 → 張り替え推奨
- 部分的な軽微な錆や小さな穴、一部の釘浮き程度 → 補修で対応可能な場合も
- 予算
- 長期的なコストパフォーマンスを考えれば、初期費用が高くても耐久性の高い張り替えが有利なことも。
- どうしても予算が限られている場合は、まず補修で急場をしのぎ、将来的に張り替えを検討する。
- 工場の稼働状況・工期への許容度
- 工場の生産を長期間止めることが難しい場合 → 短工期の補修が選択肢に。
- 計画的に休業期間を設けられる、または工事中も稼働に支障がない工夫ができる(カバー工法など)→ 張り替えも検討可能。
- 建物の将来的な計画
- あと数年で建て替えや移転の予定がある → 補修で現状維持。
- 今後も長く使用する予定がある → 張り替えで耐久性を確保。
- 専門家の診断結果
最終的には、信頼できる専門業者に屋根の状態を診断してもらい、プロの意見を聞くことが最も重要です。複数の業者に見積もりと診断を依頼し、比較検討しましょう。
より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
トタン屋根からのステップアップ!現代の屋根材選択肢
もし張り替えを選ぶなら、どんな屋根材があるのでしょうか? トタン(亜鉛メッキ鋼板)からのステップアップとして、現在主流となっているのはやはり「ガルバリウム鋼板」です。
ガルバリウム鋼板の特徴
- 高い耐久性・防錆性:トタンに比べて錆びにくく、長持ちします。
- 軽量:建物への負担が少ないです。
- デザイン性:カラーバリエーションも豊富で、スッキリとしたモダンな外観になります。
- 加工しやすい:複雑な形状の屋根にも対応しやすいです。
工場・倉庫の屋根材としては、このガルバリウム鋼板を使った「折板屋根(せっぱんやね)」や、伝統的な「瓦棒葺き」が多く採用されます。
折板屋根とは?
金属板をジグザグに折り曲げて強度を高めた屋根材です。広い面積を効率よく葺くことができ、野地板(屋根の下地材)が不要な場合も多く、工期短縮やコストダウンに繋がることがあります。
その他の屋根材
工場・倉庫の規模や用途によっては、「波板スレート」なども選択肢に入ることがありますが、トタン屋根からの張り替えでは、金属屋根であるガルバリウム鋼板が最も一般的な選択肢と言えるでしょう。
屋根材を選ぶ際の注意点
- 断熱性・遮音性:金属屋根は一般的に断熱性や遮音性が低い傾向があります。特に折板屋根は屋根材一枚で構成されるため、夏は暑く、冬は寒くなりやすく、雨音が響きやすいというデメリットがあります。これらの対策として、断熱材を併用したり、遮音効果のある施工方法を選んだりすることが重要です。
- コスト:高機能な屋根材ほど費用も高くなる傾向があります。予算と求める性能のバランスを考えましょう。
失敗しない!工場・倉庫の屋根工事、業者選びのポイント
屋根工事は専門的な知識と技術が必要です。安心して任せられる業者を選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
- 豊富な施工実績
- 工場や倉庫の屋根工事、特にトタン屋根や金属屋根の施工実績が豊富か確認しましょう。ホームページで施工事例を確認するのがおすすめです。
- 見積書の透明性
- 「工事一式」ではなく、材料費、工事費、諸経費などの内訳が細かく記載されているか確認しましょう。
- 複数の業者から相見積もりを取り、内容と金額を比較検討することが重要です。
- 専門性と資格
- 金属屋根の工事は「建築板金工事会社」の専門分野です。
- 建築板金技能士などの専門資格を持つ職人が在籍しているか確認しましょう。
- 丁寧な現地調査と説明
- 実際に屋根の状態をしっかり調査し、劣化状況や必要な工事内容について分かりやすく説明してくれるか確認しましょう。
- 質問に対して的確に答えてくれるかも重要です。
- 保証・アフターフォロー
- 工事後の保証制度や、定期点検などのアフターフォローがあるか確認しましょう。
- コミュニケーション
- 担当者との相性や、連絡の取りやすさも大切です。工事期間中もスムーズにコミュニケーションが取れる業者を選びましょう。
- 口コミ・評判
- インターネット上の口コミや、近隣での評判なども参考にしてみましょう。ただし、鵜呑みにせず、あくまで参考程度に。
「安いから」という理由だけで業者を選ぶと、手抜き工事や施工不良で後悔することになりかねません。価格だけでなく、総合的に信頼できる業者を選びましょう。
屋根を長持ちさせるために!日頃のメンテナンスの重要性
張り替えや補修を行った後も、屋根を長持ちさせるためには日頃のメンテナンスが欠かせません。
- 定期的な点検:専門業者に依頼して、年に1~2回程度、屋根の状態を点検してもらいましょう。早期発見・早期対処が大切です。
- 清掃:屋根の上に落ち葉やゴミが溜まると、水はけが悪くなり、錆や腐食の原因になります。定期的に清掃しましょう(高所作業は危険なので専門業者に依頼するのが安全です)。
- 塗装メンテナンス:金属屋根の場合、塗膜が劣化すると錆びやすくなります。一般的に10年~15年程度を目安に再塗装を検討しましょう。
適切なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、結果的に修繕コストを抑えることにも繋がります。
まとめ:工場・倉庫のトタン屋根、最適な選択で安心を!
今回は、工場・倉庫のトタン屋根の劣化と、その対処法である「張り替え」「補修」について詳しく解説しました。
- トタン屋根はかつて主流だったが、現在はガルバリウム鋼板が一般的。
- 劣化のサイン(錆、塗膜剥がれ、雨漏りなど)を見逃さず、早めの対処が重要。
- 張り替えは根本解決で長持ちするが、高コスト・長工期。
- 補修は低コスト・短工期だが、一時的な対策。
- どちらを選ぶかは、劣化状況、予算、工期、将来計画などを総合的に判断。
- 業者選びは実績、見積もり、専門性、説明力、保証などをしっかりチェック。
工場や倉庫の屋根は、大切な資産や設備、そして従業員の安全を守る重要な部分です。この記事で得た知識を活かし、専門家ともよく相談しながら、あなたの工場・倉庫にとって最適な選択をしてください。適切なメンテナンスで、安心して事業を継続できる環境を整えましょう!
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