屋根材の種類は、金属系やスレート系、セメント系などの他、日本瓦などの粘土系の屋根材があり、よく選ばれています。粘土系の屋根材は、大きく分けて釉薬瓦と無釉瓦といぶし瓦が存在します。ここでは、瓦屋根の種類や種類ごとのリフォーム費用について解説します。
耐久性に優れた日本瓦の特徴や種類
日本瓦などに代表される瓦屋根は、いくつかの種類に分けることができます。
大きく分けると、釉薬瓦、無釉瓦、いぶし瓦の3種類が建築の現場で実際に選ばれることの多い瓦です。釉薬瓦は、ガラス質の釉薬をかけて焼き上げた瓦のことです。釉薬を使用しないで焼き上げた瓦は、無釉薬瓦となります。
さらに、「いぶし瓦」は、製造の最終工程で瓦をいぶし、炭素の皮膜を形成させた瓦のことです。耐久性の高い瓦は、釉薬瓦であれば塗り替えの必要がありません。
瓦は、重量があり、厚みがあるというデメリットはありますが、耐熱性、断熱性、遮音性などに優れた屋根材です。他の屋根材と比較すると、重量が重いため、耐震性には少々難あり、とされています。
日本瓦のリフォーム費用の目安
瓦の費用は、釉薬瓦が最も高額です。
そして、無釉薬瓦、いぶし瓦の順に安くなっていきます。陶器の釉薬瓦は、耐久性が60年近くあります。釉薬瓦のリフォーム工事は、葺き替えが基本です。
カバー工法などの重ね葺きは、重量が増加すると耐震性が低下する問題があり、結果として葺き替え工事が行われています。
そのため、軽い金属屋根への葺き替えが選ばれます。費用は高くなりますが、軽量瓦や意匠性に優れた軽量の瓦が選ばれることがあります。
瓦の葺き替え費用は、廃材処理費などが発生しますので、40~140万円程度かかると言われています。
瓦屋根の補修工事
瓦屋根は、その耐久性の高さが、際立った特徴の一つとして知られています。
しかし、実際には瓦以外の部材において、経年劣化や破損、腐食する箇所が出てくるため、瓦屋根であっても補修工事が必要です。
漆喰補修工事
漆喰は、昔からある瓦や石材の接着剤の役割を果たす建材です。経年劣化により、漆喰のヒビや傷みが生じます。瓦のズレは、雨漏りの発生につながります。漆喰は、15年程度で補修が必要です。漆喰補修工事は、足場が必要となることがあり、その費用は30~80万円ほどです。
瓦屋根の部分補修工事
部分補修工事では、瓦のヒビ、ずれ、歪み、劣化などが生じた場合に、瓦を交換して補修します。足場設置の有無や補修する範囲にもよりますが、30~100万円の費用がかかることがあります。
その他の瓦に関する補修工事では、コーキング補修工事(打ち替え1メートルあたり900~1500円、打ち増し1メートルあたり500~1000円)、棟板金工事(30~100万円)、雨樋工事(1メートルあたり3000円)といったものがあります。
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