「うちの屋根、人気のガルバリウム鋼板にしたんだけど、雹(ひょう)には強いのかな?」
「もし雹でガルバリウム屋根がへこんだり傷ついたりしたら、どうすればいいの?」
「修理費用は?火災保険は使えるの?」
近年、その耐久性、軽量性、そしてスタイリッシュなデザインから、新築やリフォームで選ばれることが非常に増えている「ガルバリウム鋼板屋根」。錆びにくく長持ちすると評判ですが、果たして突然の雹(ひょう)の襲来に対しては、どの程度の強さを持っているのでしょうか?
「ガルバリウム鋼板なら雹くらい平気でしょ?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、油断は禁物です。
この記事では、
「ガルバリウム鋼板屋根は雹に強いの?弱いところはある?」
「雹でガルバリウム屋根が被害を受けた場合の具体的な症状とは?」
「へこみや傷を放置するとどうなる?修理は必要?」
「ガルバリウム屋根の雹被害、修理方法と費用相場は?」
「火災保険を賢く活用するためのポイント」
といった、ガルバリウム鋼板屋根の雹被害に関するあらゆる疑問を解消するため、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!
ガルバリウム鋼板屋根とは?~その特性と雹への耐性~
まず、ガルバリウム鋼板屋根の基本的な特徴と、雹に対する一般的な耐性について理解しておきましょう。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことです。鉄の鋼板を基材とし、その表面をアルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の合金でめっき処理したものです。この特殊なめっき層により、従来のトタン(亜鉛めっき鋼板)に比べて格段に高い防錆性と耐久性を実現しています。
【ガルバリウム鋼板屋根の主な特徴】
- 優れた耐久性・防錆性: トタンの3~6倍とも言われる高い防錆性を持ち、長期間美しい状態を保ちやすい。
- 軽量: 瓦屋根の約1/6~1/10程度の重さで、建物への負荷が少なく、耐震性向上に貢献。
- 加工しやすい: 様々なデザインの屋根に対応可能。
- 耐熱性: アルミニウムの特性により、熱反射性にも優れている。
- 比較的安価(瓦などと比較して): 高性能でありながら、コストパフォーマンスも良い。
▼ もっと詳しく知りたい方はこちら
ガルバリウム鋼板屋根の雹(ひょう)への耐性は?
ガルバリウム鋼板は金属であるため、一定以上の衝撃に対しては変形する可能性があります。
- へこみやすい
- 大きな雹や硬い雹が直撃すると、表面がへこんでしまうことがあります。これはガルバリウム鋼板の雹被害で最も一般的な症状です。
- 鋼板の厚み(薄いものほどへこみやすい)や、下地の状態(野地板の有無や種類)によって、へこみの程度は変わります。
- 傷がつく可能性
- 鋭利な雹や、勢いよく当たった雹によって、表面の塗装やめっき層に傷がつくことがあります。
- 穴が開くことは稀
- よほど大きな雹(野球ボール級など)や、鋼板自体が著しく薄い場合、あるいは既に腐食が進んでいる場合を除き、雹がガルバリウム鋼板を貫通して穴を開けることは比較的稀です。トタンに比べれば格段に強度があります。
つまり、ガルバリウム鋼板屋根は、雹に対してある程度の耐性は持っているものの、衝撃の程度によっては「へこみ」や「傷」といった被害は発生しうる、と理解しておくのが良いでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根が雹(ひょう)被害を受けた場合の具体的な症状
実際にガルバリウム鋼板屋根が雹の被害に遭うと、どのような症状が現れるのでしょうか?
- 屋根表面の多数のへこみ(ディンプル)
- 大小さまざまな雹が当たることで、屋根の表面にゴルフボールのディンプルのような、多数の小さなへこみが生じます。
- 光の当たり方によっては、このへこみがキラキラと目立つことがあります。
- 塗装の剥がれ・傷
- 雹の衝撃で、ガルバリウム鋼板表面の塗装が剥がれたり、めっき層に達するような深い傷がついたりすることがあります。
- めっき層の損傷(まれに)
- 非常に強い衝撃の場合、塗装だけでなく、その下のめっき層まで損傷を受ける可能性があります。
- 固定金具まわりの変形や緩み(まれに)
- 強い衝撃が繰り返し加わることで、屋根材を固定しているビスまわりに微細な変形が生じたり、ビスがわずかに浮いたりする可能性もゼロではありません。
- 雨樋(あまどい)のへこみ・破損
- 屋根本体だけでなく、金属製の雨樋も雹の衝撃でへこんだり、変形したりすることがあります。
「見た目は少しへこんだだけ」でも油断は禁物です。
雹で傷んだガルバリウム鋼板屋根を放置するリスク:小さなへこみが将来の大きな問題に!
「ガルバリウム鋼板は錆びにくいって言うし、少しくらいへこんだって大丈夫でしょ?」と安易に考えて放置してしまうと、後々思わぬトラブルに繋がる可能性があります。
- 傷からのサビの発生
- ガルバリウム鋼板の防錆性の要は表面のめっき層です。雹によってこのめっき層まで達する深い傷がついてしまうと、そこから鋼板本体の鉄が露出し、「赤サビ」が発生する可能性があります。
- 一度赤サビが発生すると、徐々に広がり、鋼板の耐久性を著しく低下させ、最終的には穴あきに至ることもあります。
- めっき層の保護機能低下による「白サビ」の発生
- 浅い傷やへこみであっても、めっき層のバランスが崩れると、亜鉛が優先的に酸化して「白サビ」が発生しやすくなることがあります。白サビ自体は赤サビほど深刻ではありませんが、美観を損ね、長期的には防錆性の低下に繋がります。
- 水の流れの変化による雨漏りリスク(まれに)
- 多数のへこみによって屋根表面の水の流れが微妙に変化し、特定の部分に水が溜まりやすくなったり、毛細管現象で水が吸い上げられやすくなったりして、雨漏りのリスクがわずかに高まる可能性も否定できません。
- 美観の損ない
- 多数のへこみは、太陽光の反射などで目立ち、建物の外観を損ねる原因となります。
- 修理費用の増大
- 初期の小さな傷やサビであれば、部分的な補修で対応できる場合もあります。しかし、放置してサビが広範囲に広がったり、穴が開いたりすると、屋根材の交換など大規模な修理が必要となり、費用が高額になります。
ガルバリウム鋼板の防錆性は万能ではありません。傷がついたら、そこが弱点になるということを理解しておくことが大切です。
ガルバリウム鋼板屋根が雹(ひょう)被害に遭ったら?適切な対処法と修理のポイント
もし、ご自宅のガルバリウム鋼板屋根が雹の被害を受けたと感じたら、以下の手順で対処しましょう。
- 安全の確保と状況確認(無理のない範囲で)
- まずはご自身の安全を最優先してください。
- 天候が回復してから、地上から見える範囲で屋根の状態(へこみ、傷、塗装の剥がれなど)を確認します。双眼鏡などを使うと見やすいでしょう。絶対に自分で屋根に登らないでください。
- 被害状況を写真や動画で記録しておきましょう(火災保険申請に必要です)。
- 専門業者に点検・調査を依頼する
- 早急に、屋根修理の専門業者(板金工事業者など)に連絡し、詳細な点検と調査を依頼します。
- 業者は、屋根に登って被害の範囲や深さ、めっき層への影響などを専門的な視点で確認し、適切な補修方法と見積もりを提示してくれます。
- 火災保険の確認と申請手続き
- 雹によるガルバリウム鋼板屋根の損傷も、火災保険の「雹災(ひょうさい)」補償の対象となる可能性が高いです。ご加入の火災保険の契約内容を確認し、保険会社または代理店に速やかに連絡しましょう。
- 申請手続きや注意点は、一般的な雹被害の場合と同様です。
- ポイント: ガルバリウム鋼板のへこみは「美観上の問題」と判断され、機能的な支障がないと見なされると保険適用が難しいケースも過去にはありましたが、近年では損傷の程度や範囲によっては認められるケースも増えています。まずは諦めずに専門業者や保険会社に相談してみましょう。
ガルバリウム鋼板屋根の雹被害の主な修理方法と費用相場
- 小さなへこみ・浅い傷の場合(部分補修)
- 内容: 基本的には、美観が気にならなければ機能的に大きな問題がない限り、積極的な補修は行わないという判断もあります。しかし、傷がめっき層に達している疑いがある場合は、そこからのサビの進行を防ぐためにタッチアップ塗装(補修用塗料の塗布)を行うことが推奨されます。
また、へこみを目立たなくするための補修方法として、専門業者によってはパテを使用して表面を平滑にし、その上から周囲の色に合わせて吹き付け塗装(ぼかし塗装)を行うことで、補修跡が目立たないように仕上げる技術も用いられています。 - 費用相場
- タッチアップ塗装の場合:数千円~数万円程度(範囲や箇所数による。塗装範囲が広ければ高くなる)
- パテと吹き付け塗装によるへこみ補修の場合:1箇所あたり約1万円~5万円程度が目安となることがあります。(ただし、これはあくまで一般的な例であり、へこみの大きさや深さ、数によって費用は大きく変動します)
- 内容: 基本的には、美観が気にならなければ機能的に大きな問題がない限り、積極的な補修は行わないという判断もあります。しかし、傷がめっき層に達している疑いがある場合は、そこからのサビの進行を防ぐためにタッチアップ塗装(補修用塗料の塗布)を行うことが推奨されます。
- 広範囲のへこみ・多数の傷・塗装の著しい剥がれの場合(塗装)
- 内容: 屋根全体を洗浄し、下地処理(ケレン、錆止めなど)を行った上で、再塗装します。これにより、美観を回復し、新たな保護塗膜を形成します。
- 費用相場:一般的な30坪の家で約40万円~80万円程度(足場代含む。塗料の種類や屋根の形状による)
- 深い傷・変形が大きい・サビが進行している場合(部分張り替えまたは全面葺き替え)
- 内容: 損傷が激しい部分の屋根材を交換(部分張り替え)するか、屋根全体を新しいガルバリウム鋼板屋根材に交換(全面葺き替え)します。
- 費用相場(カバー工法の場合):一般的な30坪の家で約90万円~150万円程度(足場代含む)
- 費用相場(葺き替えの場合):一般的な30坪の家で約120万円~200万円程度(足場代、既存屋根撤去処分費含む)
【表】ガルバリウム鋼板屋根 雹被害の修理方法と費用目安
被害状況 | 主な修理方法 | 費用相場の目安(一般的な戸建て住宅) |
---|---|---|
小さなへこみ、浅い傷(機能に支障なし) | 経過観察、またはタッチアップ塗装 | 数千円~数万円 |
広範囲のへこみ、多数の傷、塗装の著しい剥がれ | 屋根全体の再塗装 | 約40万円~80万円(足場代含む) |
深い傷、変形が大きい、サビが進行している、穴あき(まれ) | 部分張り替え、またはカバー工法・全面葺き替え | 部分張り替え:数万円~、カバー工法:約90万~150万円、葺き替え:約120万~200万円(足場代等含む) |
※上記の費用はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は被害の程度、屋根の面積や形状、使用する材料、足場の有無、地域、依頼する業者などによって大きく変動します。必ず複数の業者から見積もりを取り、詳細な内訳を確認しましょう。
雹(ひょう)被害に備える!ガルバリウム鋼板屋根の予防策とメンテナンス
ガルバリウム鋼板屋根の雹被害を完全に防ぐことは難しいですが、事前の対策や日頃のメンテナンスによって、被害のリスクを軽減したり、被害の進行を遅らせたりすることは可能です。
- より厚みのあるガルバリウム鋼板を選ぶ(新築・葺き替え時)
- ガルバリウム鋼板には様々な厚みがあります。一般的に、厚みがある方が衝撃に強く、へこみにくい傾向にあります。新築や葺き替えの際には、予算が許せば少し厚めの製品を選ぶことも検討しましょう。
- 断熱材一体型の製品を選ぶ
- ガルバリウム鋼板の裏面に断熱材が一体化された製品は、断熱効果だけでなく、衝撃吸収性を高め、雹によるへこみを軽減する効果も期待できます。また、雨音の軽減にも繋がります。
- 定期的な点検と清掃
- 年に1~2回程度、専門業者に依頼して屋根の状態を点検してもらいましょう。早期に傷やサビを発見できれば、軽微な補修で済みます。
- 屋根の上に落ち葉やゴミが溜まっていると、そこから水分が滞留し、サビの原因になることがあります。定期的な清掃も大切です(安全に十分注意し、無理なら業者に依頼)。
- 早期のタッチアップ補修
- 小さな傷や塗装の剥がれを見つけたら、放置せずに早めにタッチアップ塗装で補修しましょう。これにより、サビの発生と進行を防ぐことができます。
▼ もっと詳しく知りたい方はこちら
まとめ:ガルバリウム屋根の雹被害、適切な知識と対応で美観と耐久性を守ろう!
ガルバリウム鋼板屋根は、その優れた性能から多くの住宅で採用されていますが、雹(ひょう)のような自然災害に対して完全に無敵というわけではありません。「へこみ」や「傷」といった被害は発生しうることを理解しておく必要があります。
ガルバリウム鋼板屋根の雹被害で後悔しないための重要ポイント
- ガルバリウム鋼板でも雹でへこみや傷がつく可能性があることを認識する。
- 小さな傷でも放置せず、サビの発生・進行のリスクを理解する。
- 被害に遭ったら、自分で屋根に登らず、速やかに専門業者に点検を依頼する。
- 火災保険の「雹災補償」が適用できる可能性があるので、保険会社に確認する。
- 修理は、被害状況に応じて、タッチアップ塗装、全面塗装、部分張り替え、葺き替えなどを検討する。
- 新築・葺き替え時は、より厚みのある製品や断熱材一体型製品も検討する。
- 日頃から定期的な点検とメンテナンスを心がけ、屋根の美観と耐久性を維持する。
大切なガルバリウム鋼板屋根を雹の被害から守り、長く美しく保つためには、正しい知識と迅速かつ適切な対応が不可欠です。この記事が、あなたの住まいを守るための一助となれば幸いです。
▼ 他の屋根材の雹災はこちら
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
【専門資格を持つ職人が対応】
弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。
【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。