陶器瓦とよく似た「セメント瓦」は、塗装メンテナンスが必要なことや瓦に比べると耐久年数が30年と少し短いため、あまり使われなくなってきています。セメント瓦は、塗装メンテナンスが重要ですし、耐久年数経過後は葺き替えが必要です。
セメント瓦の特長や注意点
セメント瓦は、セメントが主成分です。見た目は陶器瓦とよく似ています。セメント瓦は、角が角ばった製品が多く、自由に成型できます。陶器瓦と同じぐらいの重さがあり、重い屋根材として分類できます。
セメント瓦は、初期費用が安いことから、30~40年ほど前に普及した屋根材です。ところが、新築の戸建て住宅でセメント瓦を使うことが少なくなってきており、現在は、葺き替え需要により、瓦や軽量の金属屋根などへの葺き替え工事が進んでいます。
セメント瓦は、古い製品ではアスベストを含んでいることがあり、その場合は、高額の処分費用がかかってしまいます。重量が重いことから耐震性が悪くなります。
また、塗料で着色しているので、必ず定期的な塗装メンテナンスが必要です。耐久年数も瓦の半分以下の30年程度ですから、新しい戸建て住宅の屋根材なら、セメント瓦よりも陶器瓦が使用されるようになってきています。
瓦と違って塗装メンテナンスが必要
セメント瓦は、和瓦や洋瓦などの陶器製の瓦とは異なり、塗料により塗装されています。経年劣化や台風、飛来物などにより塗膜のコーティングが剥がれたりすると、露出したセメントが雨水を吸収し水を含んでしまいます。
セメント瓦が水を含むと耐久性が低下し、葺き替えの時期を早めてしまいます。そうなる前に必ず塗装を行う必要があります。
また、塗料の耐用年数を迎える前に塗装メンテナンスを行う必要があるでしょう。塗装費用総額の相場は、40~100万円です。
耐久年数は約30年、葺き替えも検討してください
再塗装の目安時期は、塗料の耐用年数にもよりますが、10~15年ごとです。築30年もたつと、セメント瓦の葺き替えの時期がやってきます。
セメント瓦は、経年劣化によりひび割れや欠けが発生しますので、点検をして劣化症状が見つかった場合は、塗装ではなく葺き替え工事をおすすめします。
セメント瓦の葺き替えでは、金属屋根(ガルバリウム鋼板)への葺き替えリフォームが主流です。ガルバリウム鋼板は、軽量であることや、メンテナンス性も高く長寿命だからです。
葺き替えに関する費用相場は、選ぶ屋根材にもよりますが90~200万円です。セメント瓦は重量が重いので、カバー工法などの重ね葺きを行うことはできません。
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