HOME » 屋根材の種類と特徴 » トタン屋根・波板屋根 » 【工場・倉庫オーナー必見】トタン屋根の寿命を延ばす!鉄壁メンテナンス術をわかりやすく解説!

うちの工場(倉庫)のトタン屋根、いつ何をすればいいの?」
「メンテナンスって、具体的にどんなことをするの?費用は?」
「忙しくて、つい後回しにしがちだけど、本当に大丈夫…?」

前回は、工場・倉庫のトタン屋根の劣化に対する「張り替え」と「補修」という大きな選択肢について解説しました。
参照:【最新】工場・倉庫のトタン屋根、どうする?張り替えVS補修 費用・耐久性を徹底比較!

しかし、屋根を長持ちさせ、結果的にコストを抑えるためには、日々の「継続的なメンテナンス」が何よりも重要です。

この記事では、工場・倉庫のトタン屋根メンテナンスについて、こんな疑問にお答えします!

  • そもそも、なぜトタン屋根のメンテナンスはそんなに大切なの?
  • どれくらいの頻度で、何をチェックすればいい?
  • 具体的なメンテナンス方法と、それぞれのポイントは?
  • メンテナンスをサボると、どんな怖い未来が待っている?
  • 忙しくても大丈夫!メンテナンス計画を立てるコツ
  • 意外と知らない、メンテナンスの注意点

「メンテナンスって面倒だな…」と感じているあなたも、この記事を読めば、トタン屋根と賢く付き合っていくためのヒントが見つかるはず。初心者の方にも分かりやすく、図や表を交えながら詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください!

なぜトタン屋根のメンテナンスは「待ったなし」なのか?

トタン屋根 錆

「まだ大丈夫だろう」その油断が、後々の大きな出費やトラブルに繋がるかもしれません。トタン屋根のメンテナンスがなぜ重要なのか、改めて確認しましょう。

  1. トタンの宿命「錆びやすさ」
    トタン(亜鉛メッキ鋼板)は、軽量で安価な反面、主成分が鉄であるため、酸素や水分に触れると非常に錆びやすい性質を持っています。表面の亜鉛メッキが剥がれると、一気に錆が進行します。
  2. 工場・倉庫特有の過酷な環境
    工場や倉庫は、一般的な建物以上に屋根が劣化しやすい環境にあります。
    • 粉塵や化学物質:製造過程で発生する粉塵や化学物質が屋根に付着し、腐食を早めることがあります。
    • 振動:大型機械の稼働による振動が、屋根材の固定部分(釘やボルト)を緩ませることがあります。
    • 塩害:沿岸部に立地している場合、潮風による塩分が錆を促進します。
  3. コスト削減と安全確保のため
    定期的なメンテナンスは、一見費用がかかるように思えますが、長期的に見れば大きなメリットがあります。
    • 大規模修繕の予防:早期に劣化を発見し対処することで、雨漏りによる製品被害や、屋根全体の張り替えといった高額な修繕費用を防ぎます。
    • 資産価値の維持:適切なメンテナンスは、工場・倉庫の資産価値を保ちます。
    • 安全な操業環境の維持:雨漏りや屋根材の飛散などを防ぎ、従業員や近隣への安全を確保します。

トタン屋根のメンテナンスは、単なる「延命措置」ではなく、工場・倉庫の安定経営と安全を守るための「攻めの投資」と言えるでしょう。

トタン屋根メンテナンスの「最適スケジュール」とは?

では、具体的にいつ、どのようなメンテナンスを行えば良いのでしょうか?ここでは、基本的なスケジュールとチェックポイントを解説します。

メンテナンス種類推奨頻度主なチェックポイント・内容備考
定期点検年1~2回
(雨季・台風シーズン前後、特殊環境下は追加推奨)
錆の発生・進行度、塗膜の色あせ・チョーキング・剥がれ、穴あき・変形、釘・ボルトの浮き・緩み・錆、屋根材のズレ・浮き、雨樋の詰まり・破損、水たまりの有無、屋根裏の雨漏り痕自分で行う目視点検と、専門業者による詳細点検を組み合わせると効果的
塗装メンテナンス7~10年ごと
(使用塗料や環境により変動)
塗膜の保護機能回復、錆の発生抑制、美観維持。ケレン作業(錆落とし)、錆止め塗装、中塗り、上塗り。遮熱塗料など機能性塗料の選択も検討。錆が酷い場合は塗装不可の場合も。
部分修理劣化・不具合発見次第、速やかに小さな穴の補修、部分的な錆の除去・補修、釘の打ち直し・増し締め、シーリング材の打ち替え、部分的な屋根材の交換など。「小さなうちに叩く」が鉄則。放置すると被害が拡大しやすい。
雨樋清掃年1~2回
(特に落ち葉の多い季節の後)
雨樋内部の落ち葉、土砂、ゴミの除去。排水機能の維持。詰まりを放置すると、雨水が溢れて屋根や外壁の劣化を招く。

自分でできる簡易チェックのポイント

  • 地上からの目視
    双眼鏡などを使って、屋根全体の色あせ、目立つ錆、変形、雨樋の詰まりなどを確認します。
  • 工場・倉庫内部から
    雨漏りのシミやカビがないか、天井裏を確認します。(懐中電灯などで安全に注意して)

注意! ご自身で屋根に登っての点検は非常に危険です。転落事故のリスクがあるため、必ず専門業者に依頼しましょう。

「まだ大丈夫」が命取り!メンテナンスを怠る恐怖

ポイント

「ちょっとくらいの錆なら大丈夫だろう」「忙しいからまた今度」…その油断が、取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があります。

  • 雨漏りによる甚大な被害
    • 製品・商品の汚損:保管している製品や商品が水濡れで使い物にならなくなる。
    • 機械・設備の故障:精密機械や電気設備が漏電やショートで故障し、生産ラインがストップ。
    • カビの発生と健康被害:湿気によりカビが大量発生し、従業員の健康を害する。
  • 構造材の腐食と建物の強度低下
    雨水が建物内部に浸入し、鉄骨などの構造材を腐食させると、建物の強度が著しく低下し、最悪の場合、倒壊の危険性も出てきます。
  • 修繕費用の増大
    初期の小さな劣化なら数万円で済む補修が、放置することで屋根全体の張り替え(数百万円~数千万円規模)が必要になることも。
  • 操業停止による経済的損失
    大規模な修繕工事が必要になると、工場の稼働を長期間停止せざるを得なくなり、莫大な経済的損失に繋がります。
  • 企業イメージの低下・法的責任
    雨漏りや屋根材の飛散で近隣に迷惑をかけたり、従業員の安全を脅かしたりした場合、企業の社会的信用が失墜し、損害賠償などの法的責任を問われる可能性もあります。

「あの時メンテナンスしておけば…」と後悔する前に、計画的なメンテナンスを心掛けましょう。

プロが教える!トタン屋根メンテナンスの「基本のキ」

ここでは、主なメンテナンス方法の具体的な内容とポイントを解説します。

1. 点検:屋根の健康診断、プロの目で見抜く劣化のサイン

トタン屋根 雨漏り

専門業者による点検では、以下のような項目を詳細にチェックします。

  • 屋根材の状態:錆の深さ、塗膜の劣化具合(付着力試験など)、穴や亀裂の有無、変形や浮き。
  • 固定部分:釘やボルトの緩み、錆、抜け。
  • 接合部・役物:棟板金、ケラバ、雨押えなどの板金の状態、シーリング材の劣化。
  • 雨樋:詰まり、破損、勾配不良。
  • 屋根裏:雨漏りの痕跡、野地板の腐食、断熱材の状態。

最近では、ドローンを活用した屋根点検も普及しつつあります。足場を組む必要がなく、安全かつ効率的に広範囲を点検できるメリットがあります。
点検後は、写真付きの詳細な報告書と、必要な修繕箇所の見積書を提出してもらいましょう。

2. 塗装:屋根をコーティングし、錆と劣化から守る

トタン屋根

トタン屋根の塗装は、単に見た目をきれいにするだけでなく、屋根材を保護し寿命を延ばす重要なメンテナンスです。

基本的な塗装工程

  1. 高圧洗浄:屋根表面の汚れ、古い塗膜、コケなどを洗い流します。
    ※波板スレート屋根でアスベスト含有の可能性がある場合は、高圧洗浄ができないことがあります。トタン屋根の場合は基本的に問題ありません。
  2. ケレン作業:サンドペーパーや電動工具で、既存の錆や浮いた塗膜を丁寧に除去します。この作業が塗料の密着性を左右する重要な工程です。
  3. 錆止め塗装(下塗り):ケレン後、新しい錆の発生を抑えるために錆止め塗料を塗布します。
  4. 中塗り:上塗り塗料の密着性を高め、塗膜に厚みを持たせるために行います。
  5. 上塗り:最終的な仕上げ塗装。美観を整え、紫外線や雨風から屋根材を保護します。

塗料選びのポイント

  • 耐久性:シリコン系、フッ素系、無機系など、塗料の種類によって耐久年数が異なります。予算と期待する耐久性を考慮して選びましょう。
  • 機能性
    • 遮熱塗料:太陽光を反射し、屋根表面の温度上昇を抑え、工場・倉庫内の室温上昇を軽減します。夏場の冷房費削減にも繋がります。
    • 断熱塗料:熱の伝導を抑える効果があり、遮熱塗料と合わせて使用することで、より高い省エネ効果が期待できます。
  • 費用:高機能な塗料ほど高価になる傾向があります。

3. 雨樋の清掃:排水トラブルを防ぎ、屋根を守る

雨樋が落ち葉や土砂で詰まると、雨水が適切に排水されず、屋根に水たまりができたり、雨水が想定外の場所に流れたりします。これがトタン屋根の錆や腐食、雨漏りの原因となることがあります。

  • 清掃の頻度:年に1~2回、特に秋の落葉シーズン後が効果的です。
  • 清掃方法
    • DIYの場合:脚立などを使って、手やトングでゴミを取り除きます。高所作業になるため、安全には十分注意してください。難しい場合は無理せず業者に依頼しましょう。
    • 業者依頼の場合:専門の道具を使って効率よく清掃してくれます。破損箇所の点検や簡単な補修も同時に依頼できる場合があります。
  • 清掃費用:雨樋の長さや状態、足場の要否によって変動しますが、一般的に1メートルあたり2,000円~5,000円程度が目安です。

4. その他:細部も見逃さないメンテナンス

  • ボルトの増し締め・交換
    折板屋根などで使用される固定ボルトは、経年劣化や振動で緩んだり錆びたりします。定期的に点検し、増し締めや錆びたボルトの交換を行いましょう。ボルトの頭にキャップを被せて防水性を高める方法もあります。
  • シーリングの打ち替え
    屋根材の継ぎ目や板金の取り合い部分に使用されるシーリング材は、紫外線などで劣化し、ひび割れたり剥がれたりします。劣化するとそこから雨水が浸入するため、定期的に打ち替えが必要です。

忙しくても大丈夫!メンテナンス計画「3つのコツ」

「メンテナンスの重要性は分かったけど、日々の業務に追われてなかなか…」という方も多いでしょう。ここでは、忙しい工場・倉庫オーナー様でも無理なくメンテナンス計画を進めるためのコツをご紹介します。

1.「年間メンテナンスカレンダー」を作成する

「いつ」「何を」行うかを具体的に年間スケジュールに落とし込みましょう。

年間メンテナンスカレンダーの

4月:春の定期点検(業者依頼)

7月:梅雨明けの簡易点検(自社)、雨樋清掃

10月:台風シーズン後の点検(自社)、塗装メンテナンス検討開始

12月:冬前の雨樋清掃

点検結果や予算に応じて、翌年の計画を柔軟に見直すことも大切です。修繕積立金など、メンテナンス費用を計画的に予算化しておくことも重要です。

2.信頼できる専門業者と「パートナーシップ」を築く

屋根 業者

毎回業者を探すのは手間がかかります。信頼できる専門業者を見つけ、定期点検やメンテナンスを継続的に依頼する「お抱え業者」のような関係を築くのがおすすめです。

メリット

  • 建物の特性や過去の修繕履歴を把握してもらえるため、的確なアドバイスが期待できる。
  • 緊急時の対応もスムーズ。
  • 定期点検契約を結ぶことで、割引サービスを受けられる場合も。

業者選びのポイントは、前回の記事も参考にしてください。

3.メンテナンス記録を「資産」として残す

屋根 業者

いつ、どのような点検や修理、塗装を行ったのか、写真や報告書、見積書などを整理して記録・保管しておきましょう。

メリット

  • 次回のメンテナンス計画を立てる際の重要な資料になる。
  • 屋根の劣化状況の推移を把握できる。
  • 万が一、施工不良などがあった場合の証拠になる。

将来的に工場・倉庫を売却・賃貸する際に、建物の維持管理状況を示す資料として有利に働くことも。

これらのコツを活用し、無理なく継続的なメンテナンスを実現しましょう。

ここに注意!トタン屋根メンテナンスの「落とし穴」

最後に、トタン屋根のメンテナンスを行う上で注意すべきポイントをまとめました。

「安かろう悪かろう」の罠に注意!

メンテナンス費用を抑えたい気持ちは分かりますが、極端に安価な見積もりを提示する業者には注意が必要です。

リスク

  • 低品質な塗料や材料を使用される(耐久性が低い)。
  • 必要な工程を省略される(ケレン作業が不十分など)。
  • 経験の浅い職人が担当する。

結果的に、数年で再補修が必要になり、かえって高くつくことがあります。

相見積もりを取る際は、単に価格を比較するだけでなく、工事内容、使用材料、保証内容などをしっかりと確認しましょう。

DIYメンテナンスの「限界と危険性」を理解する

簡単な清掃や地上からの目視点検程度ならDIYも可能ですが、屋根の上での作業は非常に危険です。

  • 労働安全衛生規則:専門業者であっても、高さ2m以上の場所で作業を行う場合は、墜落防止措置などが義務付けられています。
  • 専門知識・技術の不足:不適切な修理は、かえって劣化を早めたり、雨漏りを悪化させたりする可能性があります。
  • DIYの範囲:地上から安全に手の届く範囲の清掃や、室内からの雨漏り応急処置(バケツで受ける、雑巾を敷くなど)に留め、屋根上での作業や専門的な修理は必ずプロに任せましょう。

火災保険の適用範囲を正しく理解する

台風や突風、雪、雹(ひょう)などの「自然災害」によって屋根が破損した場合は、火災保険が適用される可能性があります。

ポイント

  • 経年劣化による不具合は対象外です。「錆びて穴が開いた」「塗装が剥がれた」といった場合は、基本的に保険適用されません。
  • 保険は「現状復旧」が原則なので、修理を機にグレードアップする費用は自己負担になることが多いです。
  • 「保険金で実質無料!」といった甘い言葉で契約を急がせる業者には注意が必要です。

まずは契約している保険の内容を確認し、信頼できる工事業者に相談しましょう。

これらの落とし穴を避け、賢く安全にメンテナンスを進めましょう。

まとめ:計画的なメンテナンスで、トタン屋根と末永く!

工場・倉庫のトタン屋根は、適切なメンテナンスを継続的に行うことで、その寿命を大きく延ばし、さまざまなリスクから大切な資産を守ることができます。

  • トタン屋根の錆びやすさと、工場・倉庫の過酷な環境を理解する。
  • 定期点検、塗装、部分修理、雨樋清掃を計画的に実施する。
  • メンテナンスを怠ると、雨漏り、構造劣化、高額な修繕費など深刻な事態に。
  • 年間カレンダー、信頼できる業者との連携、記録の保管で、無理なく計画を。
  • 安価な業者、危険なDIY、火災保険の過信には要注意。

この記事が、あなたの工場・倉庫のトタン屋根メンテナンスの一助となれば幸いです。屋根の状態が気になる場合は、まずは信頼できる専門業者に相談することから始めてみましょう。計画的なメンテナンスで、安全かつ効率的な事業運営を実現してください!

クイック屋根工事

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