ガルバリウム鋼板屋根のメリット・デメリットや屋根工事の費用相場についてわかりやすく解説。
・カバー工法と葺き替えどっちがいい?
・他の屋根材との違いは?
・ガルバリウム鋼板屋根はどれくらいでメンテナンスが必要?
屋根の工事は、決して金額の小さな買い物ではありません。
その金額の大きさ故、失敗は許されないし、やり直しをすることもできません。
屋根材の選定や工法が自分のお住まいに本当に適したものなのか?
長い目で見て「やってよかった!」と言えるような屋根工事をしたいですね。
また、一般の方にとっては専門的な分野である屋根工事は理解しづらい部分があるのではないでしょうか?
業者任せにしていると、適正価格で発注ができず、相場を大幅に上回る見積金額で契約してしまうことも。
それを防ぐためにも、自ら適正な価格につていて判断できる力を身につける必要があります。
今回は、誰にでもわかるようにガルバリウム鋼板屋根のメリット・デメリットや屋根工事の費用についてわかりやすく解説させて頂きます。
「スレート屋根」に「ガルバリウム鋼板」を重ね葺きしたカバー工法の見積り例です。
下地の状態が良ければ、野地板下地工事が不要になります。
また、既存の屋根材を撤去する必要があれば、既存屋根の撤去工事が加算されます。(3,000円/㎡程度)
足場が必要な場合は別途加算されます。(15万円~25万円程度)
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、アルミ亜鉛合金めっき鋼板です。
アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来の鋼板よりも、さらに耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板です。
出典:http://www.nisc-s.co.jp/
ガルバリウム鋼板のメリット
地球にやさしい素材
ガルバリウム鋼板はリサイクルもでき地球に優しい素材とされています。
防火性に優れている
火災時に燃焼しにくい不燃材料です。そのため、防火性に優れています。
耐久性に優れている
ガルバリウム鋼板の寿命は塩害地域で15年、それ以外で25年といわれています。
錆びにくい
一般的なトタンである亜鉛メッキ鋼板と比べると約4倍の防錆性があります。
耐震性に優れている
日本瓦の約1/6の軽さです。そのため、耐震性にも優れています。
ガルバリウム鋼板のデメリット
防音性が低い
ガルバリウム鋼板は薄い金属なので、雨音は他の屋根材と比べて大きくなります。
断熱性が低い
同じく、金属製であるため断熱性はほぼありません。そのため、室内の温度が上昇しやすいというデメリットがあります。
衝撃に弱い
ガルバリウム鋼板は非常に薄いため、重いものがあたると凹みます。
弱点克服にコストがかかる
防音性や断熱性などを上げるためには「カバー工法」を行うか、「自然石粒仕上げ」にするなどの特殊加工が必要です。
「新築時」や既存の屋根を全て撤去する「葺き替え工事」の時などは、防音材や断熱材の施工など弱点克服コストがかかることがあります。
※比較表はあくまで主観ですので、参考程度にしてください。
カバー工法のメリット・デメリット
カバー工法とは、今ある屋根材を撤去せず、上から二重に新たな屋根材を乗せる方法です。
「重ね葺き」とも言います。
出典:http://www.kk-otsuka.co.jp/index/page/id/92
カバー工法のメリット
- 廃材が出ないので処分する費用や撤去費用がかかりません。
- 工事期間が短く、費用を抑えられます。
- 屋根材が二重になるので、断熱性、遮音性が高まります。
カバー工法のデメリット
- 屋根が二重になるので、重量が増え耐震性が悪くなります。
- 古い屋根材に水分が含まれている場合、下地を腐食させてしまうリスクがあります。
- 雨漏りが発生した場合、原因特定が困難になり修理費用が高くなります。
葺き替え工事のメリット・デメリット
葺き替えとは、今ある屋根材を撤去して新しい屋根材を乗せ換える方法です。
出典:http://www.eh-maintenance.jp
葺き替えのメリット
- 腐食した下地材(防水シートや野地板)の交換も同時にできます。
- 軽い屋根材へ交換することで耐震性がアップします。
- 屋根断熱を行うことにより冷暖房費が節約できます。
葺き替えのデメリット
- 古い屋根を剥がすため手間と処理費用が掛かります。
- 解体時の音やホコリなど近隣への配慮が必要です。
カバー工法と葺き替えどっちがいいの?
既存の屋根の種類が、スレートや金属屋根などの平らな屋根材で、かつ雨漏りなどがなく、下地の野地板がしっかりしている場合にはカバー工法をお勧めします。
既存屋根材の撤去費用が掛からず工期も短期間で済みます。
逆に瓦屋根など凹凸のある屋根材にはカバー工法は不向きです。
また太陽光発電の設置も難しくなるので、予定のあるかたにはカバー工法はおすすめできません。
雨漏りが発生していて下地の野地板が劣化しているような場合や耐震性能に余裕がない場合には葺き替えをお勧めします。
「ガルバリウム鋼板」と「トタン」は同じもの?
ガルバリウム鋼板とは鉄をベースにして金属のメッキを加工したもののことをいいます。
この金属メッキはアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、少し特殊なメッキが施されています。
ちなみに、見た目が似ていることから「トタンとは違うの?」と思うかもしれませんが、トタンは亜鉛のみをメッキしているので全くの別物です。
「横葺き」と「縦葺き」ってどっちがいい?
縦の方が雨仕舞い、(対台風など)軒の強度に勝りますのでより緩勾配の屋根や長めの軒に対応できます。
施工費も縦の方が安いです。
横でも適切な勾配(2.5寸以上)で施工されていれば何ら問題はありません。
横はすっきり落ち着いた感じで、単純な多数決ならば横の方が格好良いという人が多いと思います。
ガルバリウムの屋根はどのくらいでメンテナンスが必要?
ガルバリウムのメーカーは30年を一つの目安としています。
ただし、環境によって異なるという前提があるので定期的な点検は必要です。
今までの経験では、15年~20年で色あせが目立ちはじめ、気にする方はこの時期に塗装します。
錆などなければ、塗装しなくても30年は持つと思いますが、30年以上長持ちさせたいとお考えなら15年前後で一度、塗装メンテナンスした方がいいと思います。
ガルバリウム鋼板の屋根は雨音がうるさい?
瓦やスレート(カラーベスト)等と比べれば雨音は大きくなりますが、実際はそれほど気になりません。
メーカーによる違いはありますが、鋼板の裏に、厚さ16mm程度の断熱材(硬質ウレタンフォーム等)が一体化されています。
これにより、降水量100mm/hの豪雨の雨音も、室内ではささやき声程度に低減します。
次に、見積書に記載されている各工事項目の詳細について解説していきます。
仮設足場工事
安全に効率よく作業する為に家の周りに仮設足場を設置します。
屋根工事をする際には必須の作業です。
屋根が急勾配の場合には、屋根面にも足場を架けるため費用が高くなります。
足場をかける面積「㎡」数で記載するのが一般的です。
出典:市川塗装
野地板下地工事
野地板は屋根の仕上げ材を支えるために取り付けられる下地材です。
この野地板に防水工事としてアスファルトルーフィングなどを貼り、その上にガルバリウム鋼板が敷かれていきます。
野地板には構造用合板が使用されることが一般的です。
アスファルトルーフィング工事
屋根材で重要な役割を果たしているのがルーフィングです。
雨漏りから家を守っているのはこのルーフィングであり、瓦やスレート、ガルバリウム鋼板などの仕上げ材はルーフィングを保護するためにあるといっても過言ではありません。
仕上げ材だけでなくルーフィングの耐久性も確認してください。屋根面積「㎡」数で記載するのが一般的です。
屋根材料・本体工事
見積書の金額の中で大きなボリュームを占めるのが新しい屋根材の葺き工事です。
使用する材料、屋根の形状、勾配などでも金額が変わってきます。
屋根面積「㎡」数で記載するのが一般的です。
出典:http://www.kk-otsuka.co.jp/index/page/id/92
棟板金
棟板金とは、屋根の頂上部分やその端から四隅へ対角線上に伸びている部分に被せる板金のことを指します。
屋根の一番高い部分に設置されているため、突風や強風などで、壊れやすい箇所として知られています。
最後に棟板金を取り付けて完了です。
出典:http://kantoucreate.blog82.fc2.com/
諸経費
諸経費には、産業廃棄物の処分費、万が一の事故のための保険料、交通費、事務費、通信費などが含まれます。
業者によって、記載名が変わってきます。
小運搬費、現場管理費、安全対策費など様々です。
諸経費の記載がない見積書もありますが、それらの経費は、見積金額のどこかに必ず含まれています。
諸経費は施工費の3~10%が一般的です。
暑さ、寒さ対策
ガルバリウム鋼板は薄い金属材料で、厚さが1mm以下の屋根材です。
この為外気の気温を屋根、小屋裏に伝えやすいので、冬寒く、特に夏場は屋根の温度がかなり暑くなります。
真夏のガルバリウム鋼板の表面温度は、70度、80度にもなります。
この暑さ、寒さ対策について解説していきます。
既存の屋根を撤去せず、重ね葺き工法の場合の対策
(スレート、コロニアル、カラーベストの場合)
重ね葺き工法(カバー工法)を選ぶと、既存の下地材、スレート材料、ルーフィングが断熱材の役割を果し、この上にルーフィング、ガルバリウム鋼板の施工になるので、別途断熱材を施工するケースは少ないようです。
既存の屋根材を撤去する、葺き替え工法の場合の対策
既存の屋根材を撤去してガルバリウム鋼板を施工する場合は、何らかの断熱が必要になります。
具体的な方法をご紹介します。
- ガルバリウム鋼板の遮熱塗料付きを選択する
- 断熱材料をガルバリウム鋼板の裏に取り付けた材料を選択する
※断熱材といっても10mm程度なので効果は限定的、他の方法との組み合わせが賢明 - 屋根に断熱材料 30mm程度を施工する。断熱通気工法がコス安で効果が高い
※断熱通気工法とは、屋根材の下地に35mm程度の空気層を設け、棟部分に換気棟、空気の取り入れ口として軒先に空気取り入れ口の部品を施工します - 天井裏(小屋裏)があれば、そこに断熱材を敷く
※最も効果の高い方法ですが、コストも高いです。
お薦めの断熱材料は、セルロースファイバー
雨音対策
ガルバリウム鋼板は薄い金属材料のため、他の材料と比べて雨音は大きくなります。
雨音の気になる方には、何かしらの防音対策が必要です。
重ね葺き(カバー工法)の場合は、断熱対策と同様に、既存の下地材、スレート材料、ルーフィングが防音材の役割を果しているため、別途防音材を施工する必要はありません。
その他の方法
- ガルバリウム鋼板ではなく、ジンカリウム鋼板(天然石付ガルバリウム)を施工する
※ジンカリウム鋼板は表面に石粒がコーティングしてあり、雨粒を拡散して音は全くしません - 断熱材料付のガルバリウム鋼板を選定。ただし防音の効果は限定的
- 断熱通気工法も30mmの空気層ができますので防音の効果が期待できます
- 天井裏(小屋裏)があれば、そこに断熱材を敷く
ガルバリウム鋼板は、弱点の対策をしっかりおこなえば、お勧めできる屋根材の一つです。
しかし、いい加減な業者に工事を任せてしまうと、雨漏りやサビがすぐに発生するなど、寿命が短くなってしまうケースも少なくありません。
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