雨漏り修理の補修費用の目安を詳しく解説しています。調査費用や業者選び、ベランダからの雨漏り、屋根、屋上からの雨漏りなど雨漏り修理の種類別に費用相場をご紹介していきます。工事前の参考のしてください。
雨漏り修理の費用相場は?
雨漏りの応急処置 | 5~20万円 |
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屋根の補修 | 5~30万円 |
屋根材の交換 | 80~180万円 |
屋上の防水 | 60~150万円 |
ベランダの防水 | 20~100万円 |
外壁の補修 | 20~50万円 |
外壁全面改修 | 100~200万円 |
雨樋の修理 | 1~10万円 |
原因調査 | 3~18万円 |
雨漏り修理の費用分布
20~50万円が全体の約40%、50~100万円が全体の約30%、100~150万円が全体の約20%を占めます。
雨漏り修理の種類別の費用例
瓦屋根の雨漏り修理
【瓦屋根でよくある雨漏り箇所】
- 漆喰(しっくい)の崩れ
- 瓦の割れ・ずれ
- 棟瓦のゆがみ
- 経年劣化
- 外壁と屋根の取り合い
- ルーフィングの破れ
瓦屋根の雨漏りは、屋根材下の防水シートが破けているために雨漏りしていることが考えられます。
雨漏り個所の屋根材を一旦外して、野地板と防水シートの交換作業が必要になることもあります。
雨漏り個所の上が必ず傷んでいるわけではありませんので、原因の特定は難しいといわれています。
部分的な修理で直る可能性も十分ありますが、防水シートの耐用年数(約30年)がすでに経過している場合には、修理しても別の場所から雨漏りが発生する可能性も残ります。
本来であれば、全体的な葺き直しや、屋根材の交換工事を検討してください。
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な屋根材の交換 | 100~180万円 |
スレート屋根の雨漏り修理
【スレート屋根でよくある雨漏り箇所】
- スレートのひび割れ・浮き
- 棟板金の浮き
- 経年劣化
- 釘の貫通穴
- 谷棟の雨仕舞いの不備
- 外壁と屋根の取り合い
- ルーフィングの破れ
スレート屋根に雨漏りについても瓦屋根と同様に屋根材下のルーフィングが破れている可能性があります。原因が特定できれば部分的な修理をおこないます。
しかし、経年劣化によって雨漏りしている場合には、防水シートの耐用年数が経過しているため、全面的な葺き替えやカバー工法を行う必要があります。
毛細管現象による雨漏り
スレート屋根は適合する勾配は、4寸勾配です。勾配がゆるい4寸未満の場合、水はけが悪くなり、雨漏り発生の確率が上がります。
また、スレート屋根の重なりから水を吸い上げられる現象(毛細管現象)によって、屋根材を固定している釘をつたって防水紙や野地板を抜けて屋根裏に雨水が漏れることがあります。
大雨や積雪など条件が重なったときに居室の天井にまで到達し始めて雨漏りを認識することになります。この場合の処置として、屋根の重ね部が塗料で詰まっていないか(水はけが悪くなっていないか)詰まっている場合には、縁切り部材を入れて隙間を確保するか、カッターなどで塗膜を切り、隙間を作りましょう。
部分的に屋根材を剥がして釘穴にコーキングを詰めて再度屋根材を取り付けるなどの方法もありますが、完全に直す場合には、カバー工法か葺き替えを行うのがお勧めです。
勾配によって使用できる屋根材が決まっています。
金属系瓦棒葺き | 1.5寸以上 |
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金属系横葺き | 3寸以上 |
スレート葺き | 4寸以上 |
瓦屋根 | 4寸以上 |
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な屋根材の交換 | 80~180万円 |
瓦屋根・スレート屋根 DIY補修
まずは、屋根裏に入って雨漏り箇所を確認しましょう。その位置から屋根の頂上までのどこかに、屋根の割れなど屋根材に異常がないか確認します。
異常が見つかれば、その周辺の屋根材を一旦撤去します。屋根材下にある、防水シートに破れがないか確認し、破れている箇所に防水テープやコーキングを充填します。
そして屋根材を元の状態に復旧します。
屋根裏に入るときや屋根材を外した状態の屋根は、腐食していて軟くなっているので、踏み抜かないように気を付けてください。屋根の作業は危険ですので、業者に依頼したほうが安全で確実です。
屋上(陸屋根)からの雨漏り
屋根のないフラットに見える屋上を「陸屋根(りくやね)と言います。
【屋上(陸屋根)でよくある雨漏り箇所】
- 笠木
- 排水ドレン
- 防水層の割れ・めくれ(床)
- 壁と防水層のつなぎ目
- 壁のひび割れ
ご自身でできることは、排水ドレンの清掃とひび割れのコーキングなどです。
しかし、屋上(陸屋根)の雨漏りは、専門家でも原因の特定は難しいため、自分で補修して直る確率は低いです。コーキングしてはいけない部分にコーキングしてしまい、雨漏りを悪化させてしまうこともよくあります。
自分で補修する場合でも必ず専門家に見てもらい原因を特定してからおこないましょう。
原因の部位によっては、部分補修でも直る可能性がありますが、全体的に劣化していて上記のような雨漏りしやすい箇所がたくさんある場合には、全面改修が必要になります。
雨漏り箇所が外壁の近くに発生しているようでしたら、壁から雨漏りしている可能性もあります。
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な防水工事 | 60~150万円 |
ベランダからの雨漏り
【ベランダでよくある雨漏り箇所】
- サッシと防水との取り合い
- 防水層の割れ(床)
- 排水ドレン
- 笠木
- 笠木と壁との取り合い
- サッシ廻りのシーリング
ベランダも屋上(陸屋根)と同様にご自身でできることは、排水ドレンの清掃と目視でもわかるひび割れ箇所へのコーキングです。
同じく雨漏り箇所の特定は難しいため、専門業者に調査してもらいましょう。屋上(陸屋根)よりも面積が少ない分修理費用は抑えられます。
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な防水工事 | 20~100万円 |
外壁からの雨漏り
【外壁でよくある雨漏り箇所】
- 屋上笠木
- 外壁と開口部(サッシ窓枠、換気フード)の取合い
- 防水シートの施工不良
- シーリングの劣化
- 外壁のクラック
- 出窓からの雨漏り
- 内樋のオーバーフロー
- 配線などの止め金具の釘穴
- エアコンの穴
- 手すりの取合い
- 下屋根と壁との取り合い
釘や配線が外壁に取り付けてある場合、外壁内側にある防水シートを貫通させているため、何らかの理由で上部から雨が入った際にそこから雨水が配線伝いに浸入することもあります。
そのような場合、表面的なコーキングで完全になおすことは困難です。
【外壁を壊す→内部を修理→外壁を復旧】この場合、修理費用も高額になります。
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な改修工事 | 100~200万円 |
強風時の雨の時だけ雨漏りする
「年に一度だけ強風を伴った雨の時だけ雨漏りする」「雨水は上から下に流れる」当たり前の話ですが、建物は上からの雨水を下に排出するように設計されています。
もし、下から上に雨が降った場合には、雨漏りすることは想像できると思います。そんな可笑しなことが、台風時には起こります。
例えば、外壁に高圧洗浄機で強く水を放水したとします。
壁に当たった水は「1m以上壁伝いに上へ水が流れる」という現象が起こります。経験豊富な現場の職人さんであれば、上記を踏まえ要所を理解して丁寧に施工してくれます。
しかし、経験や知識の乏しい職人さんが施工すると、「たぶん大丈夫だろう」と過信し、下記のような施工不良が発生してしまいます。
- 防水シートの規定重なり長さ不足
- 端末部や配管貫通部が防水テープなどで処理されていない
- 防水シートの張り方が逆
強風時に雨漏りしやすい箇所
- 屋上笠木
- 外壁と開口部(サッシ窓枠、換気フード)の取合い
- 防水シートの施工不良
- シーリングの劣化
- 外壁のクラック
- 出窓からの雨漏り
- 内樋のオーバーフロー
- 配線などの止め金具の釘穴
- エアコンの穴
- 手すりの取合い
- 下屋根と壁との取り合い
強風時での雨漏りは、目視で異常を確認できないことが多いです。
その場合、疑わしい箇所に散水調査をおこなっていき、同じ場所に雨漏りを発生させて、雨漏り箇所の特定をおこないます。
雨漏り箇所の特定は専門家でも難しく、また原因箇所は1つとは限らないため、修理後の再発を恐れて、業者としてはできれば請け負いたくない工事です。
部分的な修理 | 5~30万円 |
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全体的な改修工事 | 100~200万円 |
1次防水と2次防水とは?
雨漏りの修理には、一時的に雨漏りを止める応急処置と雨漏りが再発しないように完全に直す修理と2種類の方法があります。建物には雨の浸入を防ぐために「1次防水」と「2次防水」が存在します。
「1次防水」とは、目に見える外壁材(サイディング・モルタル)や屋根材(スレート・瓦)の部分を言います。
簡易的な応急処置では、1次防水にシーリング材や塗膜防水材を使用して修理します。
その効果は、シーリング材や塗膜防水材の耐用年数に頼っているため、それらの耐用年数が過ぎると雨漏りが再発することになります。
雨漏りが再発しないように完全に直すためには、「2次防水」の修理が必要です。
「2次防水」とは、外壁材や屋根材の下にある防水シートのことを言います。
雨漏りは、防水シートの破れや、張り方に不具合があると発生します。
仮に1次防水であるシーリングや塗膜防水に劣化や不具合が発生しても2次防水である防水シートに問題がなければ雨漏りすることはありません。
2次防水の修理は、屋根材や外壁材を一旦剥がし、防水シートなどの下地を直してから元の状態に復旧することになるため、1次防水の修理と比較して、かなり高額な工事になります。
費用を出せる場合は、2次防水まで修理することが理想ですが、再発覚悟で費用の安価な1次防水の処置で様子をみるというのも一つの手です。
雨漏り調査方法と費用は?
雨漏りを完全に治すためには、雨漏り調査・雨漏り診断をおこない、原因の特定が必要です。
一般的な雨漏り調方法は「目視調査」「散水調査」「赤外線サーモグラフィー調査」の3種類です。
一般的な住宅であれば、上記3つの方法で雨漏りの原因を特定することは可能です。
目視調査の費用
雨漏り箇所を推測して、屋根に登ったり天井裏を覗いてみたり、雨水が浸入した形跡がないかを目視や触診などで調査していく方法です。
雨漏りの原因や不具合、対策や補修方法などについて口頭で説明とアドバイスをしてもらえます。
視調査費用 | 無料~5万円 |
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散水調査の費用
雨漏りの浸入経路と疑われる部分に実際に水をかけて、確実に雨漏りの原因を突き止めることを目的とした本格的な調査です。
雨漏りの再現を試みる方法で、目視調査よりも大掛かりで、手間も時間もかかります。
建物の状況によっては、足場の設置が必要となり、費用がかさむ可能性があります。
散水調査費用 | 5~12万円 |
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赤外線サーモグラフィー調査の費用
高感度赤外線カメラにより、建物内外部の温度状態をチェックする診断です。
外壁を壊して内部を確認しなくても温度の状態によって雨漏り箇所を確認することができます。
赤外線サーモグラフィー調査費用 | 12~18万円 |
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オプション
調査報告書の作成 | 2万円~ |
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漏水箇所見張り要員 | 1.5万円~ |
雨漏り修理は住宅の修理の中でも最も原因の特定が難しい修理です。
早期発見と再発防止を確実におこなうには、原因を特定してから適切な修理をおこなうことが原理原則です。そのためには、多少高額でもしっかりと実績のある業者に雨漏り調査・診断を依頼しましょう。
雨漏り修理業者を選ぶポイント
雨漏りが止まるかどうかはすべて業者にかかっています。そのため雨漏り修理業者選びは慎重におこないましょう。雨漏り箇所の特定は簡単ではありません。建物の雨仕舞いについての知識と、雨漏りを見てきた経験豊富な業者に見てもらいましょう。
雨漏り修理は原因の特定が基本です。雨漏り箇所の特定ができないようでしたらその先の工事は行わない方が賢明です。原因と修理方法を明確にしてくれる業者を探しましょう。
雨漏り調査をしてくれる業者は下記の業者です。
瓦屋 | 屋根全般が専門 |
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板金屋 | 屋根全般・雨樋・板金が専門 |
防水業者 | ベランダ・屋上防水が専門 |
工務店 | 建築全般 |
リフォーム業者 | 建築全般 |
塗装屋 | 塗装が専門 |
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