「そろそろ屋根のリフォームを考えなきゃ…」
「最近よく聞く『ガルバリウム鋼板』って良さそうだけど、もっと良いのってないのかな?」
そんな風に屋根のリフォームをお考えのあなた。「SGL鋼板(エスジーエルこうばん)」という名前を聞いたことはありますか?
ここ数年、屋根材の世界で注目度が急上昇しているのが、このSGL鋼板です。
もしかしたら、「ガルバリウム鋼板の進化版」なんて説明を聞いたことがあるかもしれませんね。
でも、
「SGLって何がすごいの?」
「ガルバリウム鋼板と具体的にどう違うの?」
「メンテナンスは本当に楽なの?」
「どの製品を選べばいいの?」
と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなSGL鋼板について、屋根リフォーム初心者の方にも分かりやすく、ガルバリウム鋼板との違いやメリット・デメリット、気になるメンテナンス方法や代表的な製品比較、よくある質問まで、徹底解説します!
この記事を読めば、SGL鋼板の魅力が分かり、あなたの屋根リフォームの材料選びにきっと役立ちますよ!
そもそもSGL鋼板ってなに?
SGL鋼板とは、一言でいうと「ガルバリウム鋼板をさらにパワーアップさせた、次世代の金属屋根材」です。
屋根材や外壁材の大手メーカーである「日鉄鋼板株式会社」が開発した素材で、「エスジーエル」と読みます。「スーパーガルバリウム鋼板」なんて呼ばれ方もしますね。
ガルバリウム鋼板も、軽くてサビに強く、耐久性の高い優れた金属屋根材として人気ですが、SGL鋼板はそれをさらに改良し、よりサビにくく、より長持ちするように作られた、まさに「スーパー」な素材なんです。
ガルバリウム鋼板とSGL鋼板、決定的な違いは「たった2%のマグネシウム」!
「パワーアップしたって言うけど、具体的に何が違うの?」と思いますよね。
実は、ガルバリウム鋼板とSGL鋼板の基本的な構造はよく似ています。どちらも鋼板(鉄の板)をサビから守るために、特殊なメッキでコーティングしたものです。
その違いは、メッキに含まれる成分にあります。
- ガルバリウム鋼板のメッキ: アルミニウム(55%)+亜鉛(43.4%)+シリコン(1.6%)
- SGL鋼板のメッキ: アルミニウム(55%)+亜鉛(41.4%)+シリコン(1.6%)+マグネシウム(2%)
そう、違いは「マグネシウム(Mg)が2%含まれているかどうか」だけなんです!
たった2%の違いですが、このマグネシウムが加わることで、SGL鋼板はガルバリウム鋼板を大きく上回る性能を発揮するようになりました。
ちなみに「SGL」という名前は、
- Superior(上質)
- Special(特別)
- Super(超越)
といった意味の頭文字「S」を、ガルバリウム鋼板(GL)につけたもの。名前からも、そのグレードアップ感が伝わってきますね!
ここがすごい!SGL鋼板のメリット【ガルバリウム鋼板との比較】
では、マグネシウムが加わったことで、SGL鋼板は具体的にどんなメリットがあるのでしょうか? ガルバリウム鋼板と比較しながら見ていきましょう。
メリット①:とにかくサビに強い!耐食性が3倍以上!?
金属屋根材にとって、最大の敵は「サビ」です。
SGL鋼板は、そのサビにくさがガルバリウム鋼板のなんと3倍以上とも言われています!(※日鉄鋼板の試験結果による)過酷な環境に置かれる屋根にとって、これは非常に大きなメリットです。
メリット②:沿岸部でも安心!塩害に強い!
潮風による塩害が心配な海の近くでも、SGL鋼板は強さを発揮します。ガルバリウム鋼板ではメーカー保証が海岸から5km以上離れている必要があったのに対し、SGL鋼板の代表的な製品では500m以上と、保証範囲が大幅に広がっています。沿岸地域の方には特に心強い味方です。
メリット③:キズに強い!「自己修復作用」でサビの進行をガード!
施工時の加工部分や、万が一のキズから発生しやすいサビ。SGL鋼板は、マグネシウムの効果でこのキズ部分のサビの進行を強力に抑える「自己修復作用」が働きます。これにより、屋根の端の部分なども含めて、長期間にわたり美観と耐久性を保ちやすくなります。
メリット④:長持ちで経済的?耐用年数が長い!
サビやキズに強いSGL鋼板は、その分長持ちします。
屋根材の種類 | 耐用年数(目安) |
スレート(コロニアル) | 20~25年 |
アスファルトシングル | 20~30年 |
ガルバリウム鋼板 | 25~40年 |
SGL鋼板 | 30~50年 |
瓦 | 50年以上 |
※耐用年数はあくまで目安です。立地環境やメンテナンス状況によって変動します。
30年~50年というトップクラスの耐用年数を誇り、将来的なメンテナンスコスト(塗り替えや葺き替え)を抑えられる可能性が高いため、トータルコストで考えると経済的と言えるでしょう。
メリット⑤:軽くて地震に強く、デザインも豊富!
ガルバリウム鋼板と同様、非常に軽量で建物への負担が少なく、地震対策としても有効です。また、色や質感のバリエーションも豊富で、モダンなデザインから和風まで、様々なお住まいに合わせやすいのも魅力です。
SGL鋼板の気になる点:デメリットと注意点
高性能なSGL鋼板ですが、いくつか知っておきたい点もあります。
気になる点①:価格はガルバリウム鋼板より少し高め
やはり高性能な分、材料価格はガルバリウム鋼板よりも少し上がります。しかし、その差は以前ほど大きくなく、性能向上による長期的なメリット(長寿命、メンテナンス頻度の低減)を考慮すれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。初期費用だけでなく、30年、40年といった長い目で検討することが大切です。
気になる点②:金属屋根共通の注意点(断熱性・遮音性・凹み)
- 断熱性・遮音性: 金属自体は熱を伝えやすく音も響きやすいですが、現在のSGL鋼板屋根材は「断熱材一体型」が主流。これにより、断熱性・遮音性は大幅に改善されています。(詳しくは後述のQ&Aもチェック!)
- 衝撃による凹み: 強い衝撃で凹む可能性がある点は、他の金属屋根材と同様です。
気になる点③:長持ちするけど、お手入れは必要? SGL鋼板のリアルなメンテナンス
「SGL鋼板はメンテナンスフリー?」と聞かれることもありますが、完全に何もしなくて良いわけではありません。 ただ、他の屋根材に比べて手間がかからないのは事実です。
- 基本的なお手入れ:
- 年に1~2回程度の水洗い: ホコリや軽い汚れを洗い流すことで、美観を保ち、サビの原因となる物質が付着するのを防ぎます。特に汚れが溜まりやすい箇所(軒下や谷部など)は意識しましょう。ホースで水をかける程度で十分です。高圧洗浄機の使用は、塗膜を傷める可能性があるので注意が必要です。
- 落ち葉などの掃除: 樋(とい)や屋根面に落ち葉などが溜まると、水はけが悪くなり、サビや劣化の原因になることがあります。定期的に取り除くようにしましょう。
- 専門業者による点検:
- 5年~10年に1回程度: ご自身での確認が難しい部分(棟板金や雪止め金具の緩み、予期せぬキズなど)をプロの目でチェックしてもらいましょう。早期に問題を発見できれば、軽微な補修で済みます。
SGL鋼板は非常に耐久性が高い素材ですが、このように適切なお手入れと点検を行うことで、その性能を最大限に引き出し、より長く安心して使い続けることができます。
▼ ガルバリウムについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
あなたに合うのはどれ?代表的なSGL屋根材を徹底比較!
「SGL鋼板が良いのは分かったけど、具体的にどの製品を選べばいいの?」という方のために、人気の代表的なSGL鋼板屋根材を比較してみましょう!
比較項目 | アイジー工業 スーパーガルテクト | ニチハ 横暖ルーフαプレミアムS |
---|---|---|
素材 | SGL鋼板 | SGL鋼板 |
断熱材 | ポリイソシアヌレートフォーム | 硬質ウレタンフォーム |
表面塗膜 | 遮熱性ポリエステル樹脂塗装 or 遮熱性フッ素樹脂塗装 (※製品による) | 遮熱性フッ素樹脂塗装(高耐久!) |
特徴 | ・業界トップクラスの人気と実績 ・遮熱性・断熱性に優れる ・豊富なカラーとデザイン(フッ素タイプもあり) | ・歴史ある横暖ルーフシリーズの最上位モデル ・色あせに非常に強いフッ素塗膜 ・独自の4層リブ構造で高い防水性 |
保証(穴あき) | 25年 | 25年 |
保証(塗膜) | 15年(遮熱性ポリエステル) or 20年(遮熱性フッ素) | 20年(塗膜変褪色) |
デザイン性 | シンプルモダン、スタイリッシュ、フッ素は高級感あり | スタンダードで落ち着いた印象、高級感あり |
価格帯目安 | 中~高 | 高 |
こんな人におすすめ | ・実績重視 ・断熱性もデザインもこだわりたい ・フッ素タイプも検討したい | ・とにかく色あせしにくい屋根が良い ・信頼と実績のあるブランドが良い ・防水性を重視したい |
※保証内容や製品仕様は変更される場合があります。必ず最新のメーカー情報をご確認ください。
※価格帯はあくまで目安です。施工業者や条件によって変動します。
これらは代表例ですが、他にも様々なメーカーから特色あるSGL鋼板屋根材が販売されています。例えば、石粒付きのSGL鋼板屋根材(ディーズルーフィングなど)は、意匠性が高く、雨音もさらに静かになるという特徴があります。
ご自身の予算、デザインの好み、重視する性能(耐久性、断熱性、意匠性など)に合わせて、最適な製品を選びましょう。迷ったときは、複数の製品を扱っているリフォーム業者に相談して、それぞれの特徴を詳しく聞いてみるのがおすすめです。
気になる疑問を解決!SGL鋼板 Q&Aコーナー
SGL鋼板について、よく聞かれる質問にお答えします!
雨の音がうるさいって本当?
金属屋根は一般的に雨音が響きやすいと言われますが、断熱材一体型のSGL鋼板屋根材なら、その心配はかなり軽減されます。 断熱材が音を吸収してくれるため、スレート屋根などと比べても遜色ない、あるいはむしろ静かに感じるという声も聞かれます。石粒付きタイプはさらに静音性が高いです。
夏は暑くならないの?屋根裏がサウナ状態に…?
これも断熱材一体型であれば、断熱効果によって屋根からの熱の侵入を大幅に抑えてくれます。 さらに、多くの製品で採用されている「遮熱塗料」は、太陽光を反射して屋根表面の温度上昇を防ぐ効果があります。そのため、夏場の室内温度上昇を抑制し、エアコンの効きが良くなるなど、むしろ快適性が向上するケースが多いです。
色やデザインはどんなものがある?ツヤ消しタイプは?
非常に豊富です! 定番のブラック、ブラウン、グレー系はもちろん、グリーンやブルー、ホワイト系など、様々なカラーバリエーションがあります。表面の質感も、光沢のあるツヤありタイプ、落ち着いた印象のツヤ消し(マット)タイプ、自然な風合いの石粒付きタイプなど、お住まいの外観イメージに合わせて選べます。メーカーのカタログやウェブサイトで確認したり、業者にサンプルを見せてもらうと良いでしょう。
SGL鋼板の工事は、どこの業者でもできるの?
SGL鋼板自体は比較的新しい素材ですが、施工方法はガルバリウム鋼板と大きく変わりません。そのため、金属屋根の施工経験が豊富な業者であれば、問題なく対応できるはずです。ただし、製品ごとの特性や施工のポイントを熟知している業者を選ぶことが重要です。実績を確認したり、複数の業者から話を聞いて比較検討しましょう。
屋根リフォームで補助金は使える?
断熱性の高いSGL鋼板屋根材(特に断熱材一体型)へのリフォームは、省エネリフォームとして国や自治体の補助金対象となる可能性があります。 例えば、「住宅省エネリフォーム推進事業」などが該当する場合があります。補助金制度は年度や自治体によって内容が変わるため、最新情報を確認し、利用を検討している場合はリフォーム業者に相談してみましょう。
まとめ:これからの屋根リフォーム、SGL鋼板を検討しない手はない!
今回は、次世代の金属屋根材「SGL鋼板」について、ガルバリウム鋼板との違いから、メリット・デメリット、メンテナンス、製品比較、Q&Aまで詳しく解説しました。
【SGL鋼板のポイントおさらい】
- ガルバリウム鋼板にマグネシウム(Mg)を2%加えた進化版!
- サビへの強さ(耐食性)がガルバリウム鋼板の3倍以上!
- 塩害に強く、沿岸部での保証範囲が拡大!
- キズ部分のサビを防ぐ自己修復作用がパワーアップ!
- 耐用年数が長く(30~50年)、長期的なコストパフォーマンスが高い!
- メンテナンスは比較的楽だが、定期的な点検は必要。
- 断熱材一体型なら断熱性・遮音性も◎。
- 軽量で耐震性に優れ、デザインも豊富。
- スーパーガルテクトや横暖ルーフなど、魅力的な製品が多数!
SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板の優れた点を引き継ぎつつ、弱点を克服し、さらに耐久性を高めた、まさに次世代のスタンダードとなり得る屋根材です。特に、屋根の最大の悩みである「サビ」に対して圧倒的な強さを誇る点は、長く安心して暮らしたい方にとって大きなメリットと言えるでしょう。
これから屋根のリフォーム(葺き替えやカバー工法)を検討される方は、ぜひSGL鋼板を第一候補として考えてみてください。
もちろん、最終的な材料選びは、お住まいの状況や予算、デザインの好みなどを総合的に判断することが重要です。まずは信頼できる屋根リフォーム業者に相談し、ガルバリウム鋼板とSGL鋼板、それぞれのメリット・デメリットや見積もりを比較検討してみることから始めましょう。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
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【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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